恒松祐里:22歳でキャリア15年超 朝ドラから「全裸監督」まで 強みは「器用さ」

「全裸監督 シーズン2」に出演している恒松祐里さん
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「全裸監督 シーズン2」に出演している恒松祐里さん

 Netflixのオリジナルシリーズ「全裸監督 シーズン2」に出演している女優の恒松祐里さん。山田孝之さん主演で2019年8月に配信され、大きな話題となった「全裸監督」の続編で、恒松さんは主人公の新たなヒロインとなる女性「乃木真梨子」を演じ、ラブシーンにも挑戦した。一方、放送中のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」では、清原果耶さん扮(ふん)するヒロインの幼なじみの、明るくチャキチャキした性格の“スーちゃん”こと野村明日美として、全く別の顔を見せている。そんな恒松さんに話を聞いた。

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 ◇コロナ禍で「今日できたものが明日できるとは限らない」

 「全裸監督」について、「日本を代表する個性豊かな俳優さんたちが、すごい熱量を持ってお芝居をしているイメージがあった」といい、前作を鑑賞した際、「ドラマというよりも映画みたいで。こんなにもクオリティーが高いんだって、最初はびっくりしましたし、見ていて鳥肌が立つような感覚になりました」と話す恒松さん。

 シーズン2では、“放送禁止のパイオニア”として時代の寵児(ちょうじ)となった「村西とおる」(山田さん)と仲間たちの狂乱を描いていて、恒松さんも、「すでに私のことを知ってくれている人の何百倍という人たちが、海外を含めてこの作品を通して私を初めて知るという可能性とか、未知ではありますが、いろいろな意味でワクワクします」と声を弾ませる。

 今回の乃木真梨子役は、オーディションではなくキャスティングだった。出演を決めるまで多少の葛藤はあったというが、大きかったのが「チャンスを逃したくない」という、女優としての強い気持ち。

 「出演の話をいただいたときは、『何で私だったんだろう?』という不思議な気持ちが一番。ただ、このコロナ禍の、『今日できたものが明日できるとは限らない』という状況の中、後悔だけはしたくはないなと思えて。演じる機会をいただけて、自分もやってみたいと思える役柄に出会えるのは素晴らしいことなので、このチャンスを逃したくないという気持ちが強くなってオファーを受けることにしました」と振り返る。

 役を演じるにあたって意識したのは「女性のしたたかさや、人を許す心と包容力」だ。恒松さんは「心がある、愛ある女性でいたいなって思いながら演じていました」とも明かす。

 また、ラブシーンは「初めてだったのですが、アクションシーンみたいでした」と笑顔を見せ、「このタイミングはこれ、このタイミングはこれって感じで、やることが細かく決まっていて。例えると、ジャグリングですごい数のボールを回し続けていて、そのボールを落としても、気にせずやり続ける感じ。絵コンテをもらっていたので、ある程度の動きは分かっていたのですが、実際にやるとなると本当に難しいなって思いました」と感想を語った。

 ◇上辺だけでだますような「器用さ」にはならないように

 「全裸監督 シーズン2」と朝ドラ「おかえりモネ」の配信/放送時期が重なったのはもちろん偶然。その一方で、7歳から“演じ”始めて、22歳にしてキャリアは15年を超える恒松さんの、「振れ幅」を改めて知るいい機会にもなった。

 子役時代を振り返り、「小さいころはお仕事というよりも、『楽しい習い事』という感覚でした。そのころのスタッフさんには迷惑をかけたんだろうなって思います」と照れ笑いを浮かべる恒松さん。

 当然だが、当時と比べて今は「より物事を深く考えるようになった」といい、「いろいろな作品と出会う中で、自分の人生や役の人生を、どんどんと掘り下げることができるようになってきて、比例するようにお芝居をするということがより楽しくなってきたんです」と変化を明かす。その上で「(女優って)人に向き合う仕事で、いろいろな感情を持っている人間だからこそできる芸術、表現なのかなって思いますし、だから今もやっていて、すごく楽しいです」と目を輝かせる。

 自身が考える女優としての強みは「器用さ」だ。「実は手先も器用だったりするんです」とほほ笑む恒松さんだが、周りを見渡せば、同学年には広瀬すずさん、橋本環奈さん、福原遥さんら“主役級”がひしめいている。

 「10代後半のころは『器用』と言われるのが嫌でした。ほかのみんなは、私から見ても個性があって、可愛らしくて、いい意味で、一本芯が通っている。私も『恒松祐里といえば』というものが欲しいなってすごく思った時期もありました」と告白する。「でも、そうやって悩んでいたときにお芝居の先生が『器用ってことを強みにすればいい』と言ってくださって。『確かにそういう強みもあるんだ』ということに気付くことができました。ただ、上辺だけでだますような器用さにはならないようには気を付けていて。それをやってしまうと『ただの器用』で終わってしまうので、これからもお芝居や役としっかりと向き合った上で、器用さを生かして、作品に面白さやスパイスを加えていけたらと思っています」と語った。

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