俳優の吉沢亮さんが、渋沢栄一役で主演するNHKの大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(総合、日曜午後8時ほか)。8月の放送回で江戸幕府が滅び、9月の放送回からいよいよ時代は明治へ本格的に移行し、物語は“後半戦”に突入する。後半戦スタートにあたり、吉沢さんに前半戦を振り返ってもらうと、「(『青天を衝け』は)栄一と、(草なぎ剛さん演じる)慶喜の2人の線を描いてきた作品」という言葉が返ってきた。徳川慶喜役で出演している草なぎさんについて「小学生のときから見ていた大スター」と続ける吉沢さん。「栄一が慶喜に抱いている尊敬の念と、僕が草なぎさんに持っている尊敬の思いはちょっとリンクしているかも知れませんね」とも明かした。
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「青天を衝け」では序盤、主人公の栄一を軸とした武蔵国・血洗島村パートと、慶喜を軸とした江戸パートの二つの物語が進行。途中、栄一が慶喜の家臣となってからも、慶喜を中心とした数々の事件が描かれるなど、慶喜は前半戦の“もう一人の主人公”ともいうべき人物だった。史実では、これからドラマで描かれる明治時代に入ると、政治の表舞台からは去り、静岡で隠居生活を送る。
“草なぎ慶喜ファン”にとっては残念な話かも知れないが、明治に入ってからも、栄一と慶喜の交流は続いていったという史実もある。
吉沢さんは、後半戦の栄一と慶喜の関係性について、「将軍を降りても、ずっと尊敬している人であることは変わらない。栄一がどんどん偉くなっていっても、静岡に行ってあいさつしますし、時代や立場が変わっても、その関係性は変わらない」と話す。
続けて、「この作品のなかで、2人の関係性はものすごく大きなテーマだと思っていて、今後も2人の関係性は色濃く残っていくんじゃないかな」と述べていた。
撮影に入って、間もない頃のインタビューで、草なぎさんについて「持っているオーラはすごいものがありました」「すごい存在感だった」と語っていた吉沢さん。改めて、草なぎさんへの思いを聞いてみると、「大スターであり、役者として、すごい人だなっていうのは共演する前からずっと思っていました」という答えが。
「この業界に入る前から、小学生のときから見ていた大スターですよね。ちょっと形が違うかも知れないのですが、栄一が慶喜に抱いている尊敬の念と、僕が草なぎさんに感じている尊敬の思いはちょっとリンクしているかも知れません」
続けて、「そこへの憧れは、今一緒にお芝居をしていてもありますし。その思いが、(栄一と慶喜の)関係性に自然と出ていればいいな」と話していた。
「青天を衝け」は、“日本資本主義の父”と称される渋沢栄一が主人公で、連続テレビ小説「風のハルカ」(2005年度後期)、「あさが来た」(2015年度後期)などの大森美香さんが脚本を担当。「緻密な計算」と「人への誠意」を武器に、近代日本のあるべき姿を追い続けた渋沢の生きざまを描く。
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