舞いあがれ!:山田、実は岩倉家の親戚だった! “嫌み→デレた事務員”好演 大浦千佳が語る撮影の舞台裏 

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で山田紗江を演じている大浦千佳さん
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NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で山田紗江を演じている大浦千佳さん

 福原遥さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、IWAKURAの事務員・山田紗江を演じている大浦千佳さん。山田は、舞(福原さん)が父の会社を手伝っている時期には嫌みを連発していたが、航空会社の内定を辞退してIWAKURAに入り、営業の仕事を頑張っている姿を見るとデレ始め、今では舞の忙しさを心配するなど良きお姉さん的な存在になった。営業社員の藤沢(榎田貴斗さん)と交際しているようでもあり、動向が気になる存在だ。山田を演じている大浦さんに、撮影の舞台裏や山田と藤沢の今後などについて聞いた。

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 ◇ネイルを乾かす謎のポーズはアドリブだった

 山田は、IWAKURAが岩倉螺子(らし)製作所だったころからの事務員で、言葉は辛らつだが、的を射ていることが多い人物。玉の輿(こし)を狙って退勤後に合コンにいそしんでいたが、どうやら同じフロアの営業の藤沢と交際しているようだ。

 演じる大浦さんは、1988年生まれ、大阪府出身の35歳。「劇団チーズtheater」に所属し、舞台を中心に活躍している。朝ドラ「エール」(2020年)や刑事ドラマ「特捜9 season2」(テレビ朝日系、2019年)に出演。2022年公開の映画「散歩時間~その日を待ちながら~」(戸田彬弘監督)にも出演している。

 大浦さんは、山田のキャラクターについて「演出の方から、『浩太さん(高橋克典さん)側の親戚の娘という設定になっている』と言われました。『娘がいるんやけど全然(就職が)決まらんくて、浩太、お前のところでお願いできひんか……』のような流れで、高卒で優遇して会社に入れてもらった」と明かす。

 撮影に入って、「岩倉螺子製作所のころは、まだ後半の台本がなく、演出の方からは『元気な事務員さんで』としか言われていなかった」と語る。

 そこで自身でイメージを膨らませていった。「メークさんとお話しして、髪色を東大阪にいそうなお姉ちゃんっぽい感じで明るい茶色にしました。年月を経たら外はねから内巻になって。メークはそこまで東大阪を意識してませんが、年月がたつにつれて少しずつ濃くなって(笑い)」と外見を作っていった。

 合コンにいそしんでいたころ、退勤前にデスクでネイルを乾かしながら謎のポーズを取っていたが、「台本には『山田がオペの前のポーズで待っている』というト書きがあり、そこからの『X』のポーズは(オリジナルで)勝手にやりました(笑い)」と明かす。

 ◇嫌みな演技 やり過ぎてNGも

 山田の嫌みを「正直なところ、すごいことを言う人だなと思っていた」という大浦さん。だが、「関西人なら絶対にツッコむだろうなということをちゃんと山田がツッコんでいると思いました。舞ちゃん、そこ甘いやろと思ったら、山田がツッコんでる」と笑う。

 「山田は、単に思いつきで言ってしまっているのではない、何かがあるんだろうとせりふの裏を考えたりしてやっていました。それをスタッフの皆さんが面白がって、好き勝手やっても受け止めてくれたので、本当にいい環境だったなと思います」と振り返る。

 やり過ぎてNGも「ちょいちょいありました。それだとただ嫌なやつにしか見えないから、もう少し抑えめにとか」と笑顔で明かす。その結果、浩太を演じる高橋さんから「『うちの舞になんてことを言う。クビや!』と冗談で言われたりしました」。

 ◇「営業!」の反響に「私が一番びっくりした」

 そんな嫌みな山田が「営業!」とホワイトボードに書き、舞を応援する姿勢を見せただけで「山田がデレた!」と視聴者の話題になった。

 この反応について、大浦さんは「私が一番びっくりしました」という。「台本では(書くんじゃなく)何かのせりふだったんです。現場で演出の方が『ボードに営業って書きますか』って。そうしたら『!』つけたら『舞いあがれ!』と重なりますねという話になって、それめっちゃいいじゃないですかと、流れで変わっていきました」と語る。

 「私、『!』の下の『・』から書いたんですけれど、本来の書き順は棒かららしいです。視聴者の方が本当に細かく見てくださって、話題にしていただけるのは、ただただうれしいです」と顔をほころばせる。そんなときも「すごい数の人が見ているんだな」と実感し、「こんなに人気が出るとは、山田をやっている私が一番ついていけてない」と戸惑いつつも喜んでいた。

 ◇山田と藤沢の10年後は?

 舞と貴司(赤楚衛二さん)の結婚パーティーで山田は藤沢といい雰囲気になっていた。あれだけ頑張っていた合コンは結局実らなかったということになるが……。大浦さんは「山田は気が強くて、他人のダメなところが目についたら、オブラートに包まず話してしまう。私自身もそういう指摘をしてしまうほうなので」と合コンに失敗した理由を想像する。

 山田のお相手となる藤沢のキャラクター設定は、「浩太さんが飲みにいった居酒屋でバイトしていて、威勢が良くて元気だったから採用した」のだという。

 一緒に仕事をするうちに、そんな素直で明るい藤沢に山田は引かれたのかもしれない。「藤沢くんはいじられキャラで、変わり者なんですけれど、演じている榎田くんもちょっと変わっていて、そこをみんなにツッコまれています。こだわりが強くて、お札はピン札しか持たないとか。そのこだわりをまたいじられたりして」と明かした。

 パーティーで「お似合いですね」と言われた山田は、藤沢の肩をバンとたたいて照れ隠しした。「あれもアドリブでやりました。モニターでチェックしたときに、ちょっとタイミングが早すぎたなって」と反省していたが、2人が親密なんだとすぐに分かる場面になった。

 今後の2人は? 「2人で、のちのちは結婚したんじゃないかという話はしていて」といい、10年後、山田は「結婚して子だくさんなんじゃないかな」と思いをはせていた。

 大浦さん自身の10年後は、「なんか、おもろいことしてんなと。私の判断基準は面白いか面白くないかなんです。それをちゃんとジャッジできて、自分が面白いと思えるものをつきつめてお芝居ができたら」と力強く語った。

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