戸塚純貴：「だが、情熱はある」“春日”役は「物おじしない」ことを大事に　“若林”高橋海人と互いに言い合う関係に

　人気グループ「King ＆ Prince」の高橋海人さん、「SixTONES（ストーンズ）」の森本慎太郎さんが主演を務める連続ドラマ「だが、情熱はある」（日本テレビ系、日曜午後10時半）に出演中の戸塚純貴さん。お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭さんと「南海キャンディーズ」の山里亮太さんの半生を描いたドラマで、戸塚さんは若林の相方の春日俊彰を演じており、実際の春日さんの特徴をつかんだ演技が話題を集めている。戸塚さんに春日役のドラマの反響や役作りを聞いた。

ウナギノボリ

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　◇これまでで「一番難しい」春日役

　ドラマは、若林と山里がそれぞれのコンプレックスを生かした漫才やコントを披露するユニット「たりないふたり」を結成し、ブレーク後に抱いた負の感情をお笑いに昇華していく……という内容。高橋さんが若林さん、森本さんが山里さんを演じている。

　春日役について「不安しかなかった」と戸塚さん。だが、第1話から春日さんの特徴をつかんだ演技が話題を集め、「友達から普段はあまり連絡が来ないんですけど、放送後は『トゥース！』ってきますね（笑い）」と反響を明かす。「オードリー」の2人が話題にしてくれたこともうれしかったという。

　「おふたりがラジオでお話しされているのを聞いて、すごく安心しました。第1話の放送後、春日さんと若林さんが、当時の思い出とドラマの映像がそのまま過ぎて『もう、気持ち悪いよな』と言っていて。そこで『間違っていないんだな』と初めて感じました」

　撮影前は、春日さん本人に会ったことはなく「春日さんって謎が多いというか、つかみどころがなくて」と戸塚さん。「頑張っている若林さんの隣で、頑張っていない。泣いている若林さんの横で、泣いていない。喜怒哀楽が人とちょっと違う感じというか……、知れば知るほど、ダメな人なのかな？　と思うんですけど、やっぱりエピソードが全部面白いんです。とても愛らしく、愛情を注げる人だな、と思いました」と語る。

　◇「次は春日30パーセントで」

　春日役を演じるため、テレビやライブのDVDなどを見て研究したといい、「見よう見まねというか……春日さんを昔から見ていたので、僕の思っている春日さん、漫才の時のピンクベストの春日さんを、全力で演じるという。まあ、ものまねに近いですよね」と説明。声の質も意識し、「低いけど、ちょっと高く聞こえる、すごく耳心地がいい特徴的な声なので、近づけたいなと思っています」と明かす。

　撮影時は、一度春日さんを自身に“降ろす”という。「最初に監督やプロデューサーさんと『春日100パーセントで1回やってみて』とか『じゃ、次は春日30パーセントで』とか、そんな独特な読み合わせがあったんです（笑い）。世間の春日さんのイメージが100パーセントだとしたら、30パーセントはどのぐらいかな、という作り方をしていました。現場に入る時は一度春日さんを降ろして、そこから削って普段っぽくしていくんです」

　これまでで「一番難しい」という春日役。大事にしているのは「物おじしないところ」だ。「何に対しても動じない男、ということは意識しています。感情が動きそうなシーンはたくさんありますが、春日さんだけは変わっていない。そこは一貫してやり通さないといけないところかなと思います。『だが、情熱はある』ですけど、情熱があるかも分からないところが春日さんの魅力だと思っていて。あと『困った時は胸を張る』ということは気をつけています（笑い）」と楽しそうに語る。

　◇“若林”高橋海人とは意見出し合う関係

　春日役を続けるうちに、日常生活でも一人称が「私」になりがちだといい、「どんどん春日さんが僕の体に入ってきて、ちょっと困ります」と笑う。相方の若林を演じる高橋さんとは、意見を出し合う関係になっているという。

　「お互いに、言い合っていますね。客観的に見た方がやっぱり違和感に気づくことがあるので。『ここ、若林さんはどういうふうにするかな』とか『春日はここではこう言わないよな』と言い合っています」

　昨年30代を迎えた戸塚さん。本作の春日役のような重要なポジションを任されるようになったことは、がむしゃらにやってきた20代があってこそだと感じている。「20代はがむしゃらというか、一生懸命、何も考えずにやってきたという印象です。でも30歳になって、こういう春日さんの役など重要な役どころをいただけるようになって、20代でやってきたことが間違いじゃなかったんだなと気づきました」と笑顔で語っていた。