解説:「あまちゃん」GMT47って? “太巻”考案、47都道府県のご当地アイドルが集結 顔ぶれは松岡茉優、優希美青ら 人気声優も“1軍”メンバーに

(左から)のんさん、松岡茉優さん、優希美青さん
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(左から)のんさん、松岡茉優さん、優希美青さん

 のんさんが主演を務めた、2013年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あまちゃん」。6月26日にNHK・BSプレミアムで再放送される第73回から、「東京編」がスタートする。ここから舞台は東京へ移り、アキ(のんさん)がアイドルに挑戦する姿が描かれる。アキが所属することになる「GMT47」について、メンバーの顔ぶれや活動内容などを解説する。

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 ◇「地方から日本を元気に!」がコンセプト 実態はアメ女の“2軍”

 「GMT47」は芸能事務所「オフィスハートフル」の社長でプロデューサーの“太巻”こと荒巻太一(古田新太さん)が構想したアイドルグループ。“GMT”は“地元”を意味し、東京・上野と品川に47都道府県のご当地アイドルを集め、競わせながら“国民的アイドル”を育成するというコンセプトだ。

 劇中に登場したGMT47の公式サイトには「『地方から日本を元気に!』がコンセプトのアイドルグループ。日本全国47都道府県のご当地アイドルを集め、ネットで推しのアイドルに常時投票可能。投票によるランキングで、日々の立ち位置や歌うパートが変化していくシステムになります」と紹介されている。劇中では、人気投票で合格圏内に入らなければ解雇される「国民投票」が行われる。

 だが実態は、上野にある劇場を中心に活動する人気アイドルグループ「アメ横女学園芸能コース(アメ女)」の“2軍”。GMT47は、アメ女のメンバーがライブを欠席した際にシャドウ(代役)として舞台に立つことができ、普段は“奈落”と呼ばれる劇場のステージの下でダンスレッスンをしながら出演の機会をうかがっている。

 ◇メンバーはオーディションで「方言ネーティブ」を選出

 アキ以外のメンバーは、第62回でデビュー曲「ずんだずんだ」が「耳に残る」と話題になった、宮城県のご当地アイドル「牛タンガールズ」の小野寺薫子(優希美青さん)のほか、リーダーは埼玉県の「NOオーシャン」の入間しおり(松岡茉優さん)、福岡県のアイドルグループ「親不孝ドールズ」の遠藤真奈(大野いとさん)、徳島県の「うずしお7」の宮下アユミ(山下リオさん)、沖縄県出身の喜屋武エレン(蔵下穂波さん)、ブラジル出身のベロニカ(斎藤アリーナさん)ら。

 マネジャーは、北三陸にユイ(橋本愛さん)とアキを偵察に来た水口琢磨(松田龍平さん)が務める。第69回で北三陸に再び現れた水口が、春子(小泉今日子さん)にした説明によると、GMT47は「全国に公認のグループが16組」いるとされ、例として、静岡代表「茶柱ピンピン娘」、福島代表「赤べこ&青べこ」、福岡代表「親不孝ドールズ」が鉄拳さんのイラストを使ったアニメで紹介されたが、その中で劇中に登場したのは福岡の「親不孝ドールズ」だけだった。

 本放送当時、「あまちゃん」の制作統括の訓覇圭さんは、GMT47のメンバーを演じる俳優を選ぶためにオーディションを実施し、「方言をネーティブに話せる人を選んだ」と語っている。

 ◇メンバー固有の自己紹介フレーズも話題

 一方、“1軍”のアメ女は、ヒット曲を連発している人気アイドルグループ。センターの有馬めぐ(足立梨花さん)は、意識がなくなっても踊っていたという逸話を持つプロ根性の固まりのようなアイドルという設定だ。メンバーには、いまや人気声優となった水瀬いのりさんが演じる成田りなも所属していた。

 アメ女、GMT47共に、メンバーは固有の自己紹介のフレーズがあり、成田りなは「上から読んでも成田りな、下から読んでも成田りな」だった。ちなみに再放送で6月26日からスタートする第13週「おら、奈落に落ちる」の予告では、アキの声で「自己紹介につぐ自己紹介」と語られ、「気になる」と話題になった。

 アメ女の楽曲は、劇中歌として歌われる「暦の上ではディセンバー」のほか、「涙目セプテンバー」「失恋バーバー」「空回りオクトーバー」「肌寒いノーベンバー」「ペンフレンドはバンクーバー」「宇宙船リメンバー」「せつなさはアンバー」などがあるとされる。

 「暦の上ではディセンバー」は、太巻が作詞・作曲・プロデュースしたアメ女の3枚目のシングルの表題曲という設定で、「GMT47」のメンバーも路上ライブなどで歌う。実際には脚本の宮藤官九郎さんが作詞、同作の音楽担当の大友良英さん、Sachiko Mさん、江藤直子さん、高井康生さんが作曲。大友さんはプロデュースも担当した。

 のんさんが、6月17日に出演したラジオ番組で語ったところによると、GMT47のメンバーを演じた蔵下さん、大野さん、山下さんとは10年たった今でも連絡を取り合うことがあり、特に山下さんとはのんさんが脚本・監督・主演・編集を担当した映画「Ribbon」(2022年)で共演し、「コロナ禍を乗り切った同志のように仲良くしています」という。

 アキだけでなく、のんさん自身の人生にも影響を与えたGMT47での出会い。今後の展開を楽しみにしながら再放送を堪能したい。

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