テレビ試写室:「臨床犯罪学者 火村英生の推理」 斎藤工×窪田正孝の本格ミステリー

17日に放送されるドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日本テレビ系)の第1話=日本テレビ提供
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17日に放送されるドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日本テレビ系)の第1話=日本テレビ提供

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は斎藤工さん演じる犯罪社会学者と、窪田正孝さん演じる推理作家がさまざまな難事件に挑むドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日本テレビ系)だ。

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 色気のある演技で多くのファンをとりこにしている斎藤さんと、昨年7月の同じ時間帯に放送されたドラマ版「デスノート」でブレークした窪田さんという旬の俳優2人がコンビを組み、これまた人気推理作家の有栖川有栖さんのロングセラー「火村英生」シリーズの実写化に挑んだ作品だ。

 見どころに挙げられるのは、やはり“探偵”と“助手”という立ち位置の火村(斎藤さん)と有栖川(窪田さん)のコンビの活躍だ。

 斎藤さん演じる火村は、冷静沈着な性格で犯罪現場に出向いて事件を解決する大学准教授という役どころだが、「人を殺したいと思ったことがある」と公言し、「この犯罪は美しくない」と、理想の犯罪を追い求めるという闇の一面も持ち合わせている。名探偵ならではのあやうさをはらんだ一筋縄ではいかないキャラクターだが、斎藤さんは考えにふけるときの指のしぐさから、恐ろしい犯罪にニヤリとする表情まで、難しい役をしっかりと演じきっている。

 対して、窪田さん演じる相棒の有栖川は、関西弁でたまに的外れな推理もみせるというキャラクター。かといって、決しておちゃらけているわけではないのがポイントで、ともすれば“闇堕(お)ち”しそうな火村を一番近くで見守りつついたわるという、優しさと思いやりにあふれた役どころで、繊細さをはらんだ演技に定評がある窪田さんならではの魅力にあふれている。こうした2人の微妙な関係性に引かれる人も多いのでは。

 ストーリー展開は、ぎりぎりまで犯人が分からないという、かなりミステリー要素の強いもので、そうした先の読めなさに物語としての力強さも感じる。山本美月さん演じる火村ゼミの女子大生・貴島朱美や、長谷川京子さん演じる過激派組織「シャングリラ十字軍」の指導者・諸星沙奈江、「この犯罪は美しくない」と火村と同じせりふを口にする謎の少年(小野寺晃良さん)など、ミステリアスなキャラクターも続々と登場しており、早く続きが見たくなった。

 17日から毎週日曜午後10時半放送。初回は15分拡大。

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