相棒season21:第15話「傑作」「めちゃくちゃいい話」の声続出 社会問題折り込み「見事な脚本」(ネタバレあり)

連続ドラマ「相棒season21」第15話の一場面=テレビ朝日提供
1 / 1
連続ドラマ「相棒season21」第15話の一場面=テレビ朝日提供

 人気刑事ドラマ「相棒season21」(テレビ朝日系、水曜午後9時)第15話「薔薇(ばら)と髭(ひげ)と菫(すみれ)たち」が2月1日に放送され、視聴者から「傑作だった」「今週めっちゃ神回」「めちゃくちゃいい話だ涙」と高い評価を得た。

あなたにオススメ

 ◇以下、ネタバレがあります

 第15話は、ゲイバーのヒロコママ(深沢敦さん)と特命係に戻った亀山薫(寺脇康文さん)が久々の再会を果たした矢先、公園で男性の遺体を発見。身元は鬼塚一誠(工藤俊作さん)という著名なルポライターで、妻は人気少女小説家のノエル美智子(大島さと子さん)だった。鬼塚の手には美智子のデビュー作が握られ「すみれさんへ」というサインがあった。さらに鬼塚の死亡した日、美智子は現場の公園で困窮者向けの炊き出しをしていた。

 警視庁特命係は、サインの宛名となった古川すみれ(智順さん)はシングルマザーで、生活に困っていることを突き止める。すみれはかつて美智子ファンだったが「この世界は美しく、人生は喜びに満ちている」という美智子作品の世界に嫌悪感を抱いていた。

 また、困窮者を食い物にしている半グレ集団を、鬼塚が記事にしようとして、脅されていたという情報を得る。さらに、鬼塚の死因は他殺ではなく、持病の心筋梗塞(こうそく)だったことも判明。炊き出しで見かけたすみれを追いかけている最中、帰らぬ人になった、というのが真相だった。

 特命係の杉下右京(水谷豊さん)は「ノエル美智子」名で少女小説を書いていたのが、実は鬼塚で、「鬼塚一誠」の名で鋭い社会派ルポを書いていたのが美智子だった、という事実をつかむ。「男が少女小説なんて」「女が社会派ルポなんて」というジェンダー問題を理由に夫婦で名前を「交換」し、執筆活動をしていたのだ。

 かつて熱心にファンレターを送ってくれたすみれに思いを伝えたくて、結果的に死期を早めた鬼塚。右京は、美智子に「あの晩、鬼塚一誠さんがすみれさんに告げようとしたのは、ノエル美智子としての自分の正体だけではなかったと思いますよ」と告げる。そして、美智子はすみれに直接「鬼塚一誠を復活させるために、あなたの助けが必要なの。困窮する人々の声を現場からすくい上げてほしい。私の仕事を手伝ってほしい」と訴える。鬼塚が渡せなかったサイン本を差し出し「夫はあなたにこの本を渡したかった。そこに込めた思いを、これからも鬼塚一誠として引き継ぎたいの」と続けた。

 すみれは「この世界は美しく、人生は喜びに満ちている」という「鬼塚=美智子」の世界を思い出し、涙ぐんだ。

 SNSでは「せつないいい話だった」「シンプルに泣いた」「やり切れないけど救いのあるエンド」といった声が続出。脚本の岩下悠子さんにも「ジェンダーの壁、現代の貧困、反社会勢力の闇。そして、最後には一条の希望の光が差す。すべてを一本のドラマに集約していて実に見事な脚本」「つらい現実を突き付けながら最後は救いのある方向に持っていく相棒らしいお話。安心安定の岩下悠子さんの脚本」と称賛の声が広がった。

 「相棒」は、右京が天才的頭脳で数々の難事件を仲間と解決。「season21」では、初代相棒役の寺脇さんが「5代目相棒」として再登場し、タッグを組んでいる。

テレビ 最新記事

MAiDiGiTV 動画