山寺宏一:「あんぱん」松嶋菜々子との共演シーンに緊張「オーラがすごくて」 「カットされた」アドリブシーンとは

連続テレビ小説「あんぱん」第49回の一場面(C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」第49回の一場面(C)NHK

 今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)に出演する声優の山寺宏一さん。東京高等芸術学校・図案科の教師で、柳井嵩(北村匠海さん)にとって生き方、人生の考え方の基本を教えてくれた恩師・座間晴斗を演じてきた。第49回(6月5日放送)では、赤紙が届いた嵩が、座間に会いに行くシーンが描かれたが、山寺さんがこの場面にどのように向き合ったのか、話を聞いた。

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 ◇座間の再登場に驚き

 第49回では、のぶ(今田さん)は、兄に赤紙が届き不安がる生徒に勇ましい言葉をかける。しかし、次郎(中島歩さん)の言葉が引っかかり心の中は震えていた。そして嵩にも、とうとう赤紙が届く。出征前に座間に会いに行った嵩は、銀座のカフェに呼び出した母・登美子(松嶋菜々子さん)と座間の前で不安を口にする。

 この場面を振り返り、山寺さんは「まず出番があってびっくりしました。嵩が卒業したらもう座間先生の出番はないと思っていたので、そのシーンに出られることがまずうれしかったです」と明かす。

 「座間先生のところに嵩が来てくれたということは、嵩は座間先生への特別な思いがあったということ。 改めて大事な役をいただいたんだなっていうのを台本を読んで感じました。座間は軍隊に行っていたこと、出征する前に戦争が終わったことを語っていて、戦争反対を明言していますが、嵩も戦争に反対する思いをこの場面ではっきりと口にします。非常に重要なシーンだなと感じましたが、まさかその後に登美子さんと会うことになるとは、全く予想もしていない展開でした(笑)」

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 登美子役の松嶋さんとは、2015年のドラマ「オリエント急行殺人事件」(フジテレビ系)で共演したことはあったが、シーンで直接会話をするのは今回が初めてだった。

 「初共演した時は、松嶋さんが差し入れしてくれたお弁当を記念に撮影するくらい感動しました(笑)。今回は一応2回目の共演ではあったのですが、台本を見た時、松嶋さんと会話するんだと思ってびっくりしましたね。撮影では、松嶋さんが登場した時点でオーラがすごくて、勝手に緊張してしまって……。そんなにセリフが多いシーンではなかったのですが、もしセリフが多かったら大変なNGを出してしまっていたんじゃないかと思いますね」

 ◇「どうやって聞いたらいいんだろう」戸惑いも

 そんな松嶋さんとの共演シーンでは、座間の目の前で、嵩と登美子が深刻な親子の会話を繰り広げるが、「どうやって聞いたらいいんだろう」と戸惑いもあったという。

 「『それが母親の言葉か』と思うようなすごい話をしていますからね。僕は途中参加だったので、このシーンを撮影した時は、2人の親子関係を全て知っているわけではなかったんです。撮影前に、北村君から『お母さんに大変な目にあわされてきたんです。いろんな経緯があった上でのこのシーンなんです』と教えてもらい、僕自身も嵩のモデルとなったやなせたかし先生の著書などでやなせ先生と母親とのエピソードは知っていたので、『そういうことか』とつながりました」

 そんなシリアスな展開の中でも、座間が登美子に一目ぼれし、嵩に「義理の息子になってもいいか」と尋ねるコミカルな展開も。

 「中園ミホさんの脚本が素晴らしいですよね。こんな状況でも一目ぼれして、その気になるっていう。オンエアではカットされたのですが、面白いぞと思ったので、実は登美子が結婚していることを知った後、アドリブで『もうちょっと出会いが早かったらいけてたのになぁ』というセリフを言ったんです。たぶん、座間先生はそういう人なんじゃないかなと(笑)」

 おちゃめな座間を魅力たっぷりに演じた山寺さん。座間はこの場面で“退場”となるが、嵩の人生観に大きな影響を与えたことは間違いない。座間から信念を持つことの大切さや自由な精神を学んだ嵩が、今後どのような活躍を見せるのか。最後まで見守りたい。

最終週の人物相関図が公開! 予告にはいたけど“名前なし”? 新キャラは1人 登美子&千代子も“完走”

連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(最終週~) (C)NHK
連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(最終週~) (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の新たな人物相関図が、ドラマの公式サイトなどで公開された。

 9月22日に始まる最終週(第26週)「愛と勇気だけが友達さ」の相関図で、新キャラクターとして、TVプロデューサーの武山恵三(前原滉さん)の登場が予告された。

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「あんぱん」登場人物紹介

「あんぱん」とは

 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

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