ばけばけ:Beerにようやくたどり着いたトキ 視聴者を最もくぎ付けにしたのは「初スキップ」ではなく「初〇〇〇」 第37回の注目度

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第37回(11月18日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時11分の73.7%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇「やっと会えたね」 山橋薬舗でビールを発見

 第37回は、ヘブン(トミー・バストウさん)から頼まれた「Beer(ビア)」探しの続き。言葉が通じず、どういうものかイメージすらできないトキ(高石さん)は、ビールにたどり着けるのか。

 テレビの前の視聴者のうち、画面に視線がクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」は、前日の第36回に似たグラフになった。オープニングの時間帯以外は、今回も最初から最後まで70%前後でほぼ横ばいに。違うのは70%超の“山”が3回から2回に減ったぐらいだろうか。どちらもほぼ同程度の“高さ”の注目度だった。

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 最初の“山”は、注目度73.4%の午前8時7分がピークで、午前8時8分も71.0%と、2分連続で70%台を記録した。

 ヘブンが求める「Beer(ビア)」を見つけようと、トキは家族にも相談するが、的外れな答えばかり。「クビだ〜」と嘆くトキに、錦織(吉沢亮さん)は「Beer(ビア)」は山橋薬舗で購入できると教える。

 73.4%の午前8時7分台は、ようやく山橋薬舗を見つけたトキが、店主の山橋才路(柄本時生さん)と出会い、無事に「Beer(ビア)」を手に入れるまで。「やっと会えたね」と、ビール瓶を抱きしめるトキがかわいい。

 71.0%と少し注目度が下がった午前8時8分台は、帰宅したヘブンにトキが「Beer、あります」とうれしそうに報告するところから。すぐに飲みたいというヘブンのため、トキは水で冷やしていたビール瓶を取り出すと、軽く振ってからヘブンの元に持っていく。飲む前にトキが瓶を振ったことで飲む前に泡が噴き出し、ヘブンを怒らせてしまう。

 午前8時7分である意味、「明」の頂点に立っていたトキが、午前8時8分には一転「暗」のどん底に転落する。トキの忙しい一喜一憂に視聴者はクギヅケになったのだろう。

 ◇この日の最高値は、ヘブンとトキがビールで乾杯!

 もう一つの“山”は、この日の最高値73.7%の午前8時11分が頂点。直前の午前8時10分も71.0%とこちらも2分連続で70%超だった。

 ヘブンから「シジミ、シゴト、ジョチュウナイ……」と言われ、慌ててビールを買いに山橋薬舗に向かったトキ。山橋薬舗に到着するあたりからが午前8時10分台だ。ビールを注文すると、才路は「のんべえだねえ」とにこやかに迎える。そこにヘブンもやって来る。

 ピークとなった午前8時11分台は、「1人で飲むのも楽しくないので」とヘブンが誘い、才路とトキ、ヘブンの3人でビールを飲むことに。ビールを飲むヘブンの表情が本当においしそうで、こちらまでうれしくなる。物語が落ち着くところに落ち着いて、視聴者もホッとした場面ではなかっただろうか。

 ◇「トキの初スキップ」は70%超えず

 午前8時12分以降は、初めてビールを口にしたトキの反応が描かれる。「ビアって、お薬ですか?」「口の中、なんかはじけるし」。ころころ表情を変えるトキは「ああ、苦い」などと言いながら、ビールを飲み続ける。店を出たトキが「酔っぱらってしまった」とつぶやく時の、ちょっと恥ずかし気な表情がかわいい。

 酔ってヘブンも上機嫌に。店を出るなり、スキップをし始める。そしてトキに「ヤッテミテ」と促すが、初めてスキップをするトキはうまくできない。そんなトキの姿を見て、ヘブンは大笑いする。酔った2人の表情を描いた午前8時12分と13分は69%台で、70%をわずかに割り込んだものの視聴者の視線はしっかりつかんでいた。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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