俳優の高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第76回(1月19日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時12分の69.7%だった。
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「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。
第76回は、ついにヘブンの日本滞在記が完成し、錦織(吉沢亮さん)を招いてヘブンの日本滞在記完成パーティーが開かれる。パーティーでは、山橋(柄本時生さん)が西洋料理をふるまい、司之介(岡部たかしさん)やフミ(池脇千鶴さん)は、初めての西洋料理やワインに驚きつつも楽しむ。
テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、前半の午前8時7分台まではやや低調で、注目度は60%をやっと超える程度。後半の午前8時8分以降は、60%後半にいきなりランクアップする。
午前8時8分台は、ヘブンが山鳩の鳴き声を耳にし、面白がる場面。トキが松江の人は「テテポッポ」「カカポッポ」と鳴いているというと教えると、その独特の響きが気に入ったヘブンは「テテポッポ、カカポッポ」を口ずさみ、妙な動きまでつけ始める。
午前8時9分台には、ペンギンのような動きで庭から門外に飛び出していくヘブン。追いかけながら、最初は注意していたトキだったが、「テテポッポ?」というヘブンに、楽しくなったトキも「ポー、ポー。カカポッポ」と返す。2人のコミカルな動きも相まって、見ている側も楽しくなる場面だ。注目度は68.7%まで上昇し、最初のピークを迎えた。
ちなみに、ヘブンのモデルに当たるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は「テテポッポ、カカポッポ」というオノマトペ(擬音)を気に入っていてそうで、小泉セツの著書「思い出の記」にもそのことが書かれている。
午前8時9分の途中から、日本滞在記完成パーティーの場面に切り替わると、いったん注目度は低下するが、午前8時12分にこの日の最高値69.7%を記録すると、次の午前8時13分も69.0%と高い注目度が続く。
ヘブンやトキたちはパーティーを楽しもうとしたところで、引っ越しの記事で味を占めた新聞記者の梶谷(岩崎う大さん)がいきなり押しかけてくる。ヘブンは最初、取材を断るが、梶谷は「もうあげなことがないように嫌なことがあったらすぐに終わりにしますけん。ノープロブレムですよ。安心してください」と強引に取材を始める。
午前8時12分台は、空気のように見ているだけだという梶谷に食事風景を“観察”され、松野家の面々と錦織は緊張して思うように楽しめない。続く午前8時13分台は、緊張で会話が盛り上がらないため、梶谷がヘブンやトキに質問を投げかけ始める。料理の味を尋ねると、「スバラシ、オイシイ。カゾク……イッショ……シアワセ、ジカン」とヘブン。梶谷はその答えに「ありきたりだなあ……」と不満を漏らす。
梶谷の記事は今度、どんな波紋をもたらすのか? 悪い予感しかしないのは私だけではないだろう。視聴者は心配のあまり、画面を注視していたに違いない場面だった。
活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)
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