松岡茉優：堺雅人の立ち居振る舞いに「心底、感銘」　主演への思いさらに強く

　女優の松岡茉優さんが主演を務めるNHKの連続ドラマ「水族館ガール」が17日、スタートする。大手商社入社3年目で系列の水族館に異動を命じられ、飼育員となる嶋由香を演じている松岡さんは、同局の大河ドラマ「真田丸」にも、堺雅人さん扮（ふん）する主人公・真田信繁の正室となる春（竹林院）役で出演することが決まっている。両ドラマの撮影が重なって忙しい毎日を送っており、「真田丸」の現場では同じ主演として堺さんの立ち居振る舞いに「心底、感銘を受けた」と明かす。さらに「もちろん堺さんみたいにはなれませんけど、頑張って“真ん中に立てる人”になりたいって思っています」と前を見据える松岡さんに主演への思いを聞いた。

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　「水族館ガール」は、木宮条太郎さんの小説が原作で、大手商社から系列のはまかぜ水族館に異動した由香（松岡さん）が、生き物と悪戦苦闘しながら成長していく姿を描く。桐谷健太さんが由香の先輩・梶良平を演じ、お笑いコンビ「ハライチ」の澤部佑さんがオタクで無口な魚類課のチーフ・今田修太、西田尚美さんが姉御肌の吉崎一子を演じるほか、水族館の館長・内海良太郎役で伊東四朗さんが出演する。

　◇連ドラ主演も力不足を痛感「自分のことで精いっぱい」

　松岡さんがNHKの連続ドラマで主演を務めるのは今回が初。いまや注目の若手女優の一人に挙げられる松岡さんだが、初の連ドラレギュラー出演も同局の作品だった。2010年に放送された時代劇「桂ちづる診察日録」で、当時15歳だった松岡さんはオーディションで役を勝ち取った。「『自分は何をしていきたいのだろう』って、まだ俳優になることすら決めてない頃。オーディションは自分よりも年上のお姉さんしかいなくて、『これ、呼ばれただけだ』って思って楽しく受けたら、受からせていただいて。芝居もできない、キャリアもない中、レギュラーの役をいただいて、おなかが痛かったですね」と松岡さんは懐かしむ。

　約6年がたち、1クール分の連ドラ主演を任される立場になったことについて「あの時の私から考えたら想像できないし、実際にいまもピンときてない」と素直な心情を明かす松岡さん。同ドラマの後にクランクインした「真田丸」の現場では、同じ主演として堺さんの立ち居振る舞いに「心底、感銘を受けた」といい、「全員に話しかけられていますし、全員の目と行動に気を配られていましたね。全てに目が行き届いていてアンテナが張り巡らされていて、初日で右往左往していた私には『分からないことがあったら何でも聞いてね』って声をかけてくださった」としみじみと思い返す。

　そんな松岡さんは主演を務めるということについて「今の私は自分のことで精いっぱいで……」と力不足を認めながらも、「『水族館ガール』で主演をやらせていただきつつ、『真田丸』での堺さんの立ち居振る舞いを同時に見ることができるっていう、とてもありがたい環境にいます。主演として“真ん中にいる方”の立ち居振る舞いを勉強しながら、アウトプットしていけたら。もちろん堺さんみたいにはなれませんけど、頑張って“真ん中に立てる人”になりたいって思っています」と力を込める。

　◇大河との両立で見えた「今後の課題」

　一方で松岡さんは二つの作品を両立することに「難しさも感じている」といい、「次、何の仕事が来るのだろうって震えていた頃に比べたら、本当に、本当にありがたいことですが」と強調しつつ、「『あまちゃん』の頃は、撮影に入るまで余裕をもって準備ができたし、ダンスの練習や歌の練習もできた。でも今はやるべきことも増えて、その一つ一つにまで十分な時間が取れないこともあり、忙しいのはありがたいことではあるんですけど、そのような時にも自分の中できちんと対応できるようにするのが今後の課題だと思っています」とも明かす。

　それでも「いいバランスで頑張りたいですね、“働き盛り”ですし」と笑って話せる強さを見せる松岡さんは、演じ分けについても「時代も役も全然違いますし、（『水族館ガール』の）由香ちゃんは前に前に自分を出していき、周りを巻き込んでいく。（『真田丸』の）春さんは武将の妻でいろいろなものを受容していく、抱擁していく存在。出ると引くという真逆なので、私の中では息苦しさは感じていません」と意に介さない様子。さらに「今のドラマのスタッフさんが、また私と仕事がしたい、また会いたいって思ってもらえるような人になれるように頑張ります。人として『あいつ面白かったな、会いたいな』って思ってもらえるような人に」と目を輝かせていた。

　「水族館ガール」は17日からNHK総合で毎週金曜午後10時に放送。全7回。