福地桃子:「なつぞら」夕見子役で注目 加速する女優への思い

NHK連続テレビ小説「なつぞら」に柴田家の長女・夕見子役で出演している福地桃子さん
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NHK連続テレビ小説「なつぞら」に柴田家の長女・夕見子役で出演している福地桃子さん

 女優の広瀬すずさんが主演を務めるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」に柴田家の長女・夕見子役で出演している福地桃子さん。広瀬さん扮(ふん)するヒロインのなつを中心に回っている柴田家で、唯一、家族を俯瞰(ふかん)し、時に鋭い指摘でなつの人生を動かしていく夕見子をチャーミングに演じ、注目を集めている。昨年はTBS系の連続ドラマ「あなたには帰る家がある」「チア☆ダン」に出演し、今年2月には初主演映画「あまのがわ」が公開されるなど、今後さらなる飛躍が期待される福地さんに、夕見子役を通じて加速する女優業への思いなどを聞いた。

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 ◇朝ドラオーディションで過去2回落選 「悔しいって思えたことがすごくうれしく」

 福地さんは1997年10月26日生まれ、東京都出身の21歳。デビューは2016年で、朝ドラに出演することが、女優としてのモチベーションの一つだった。そのきっかけとなったのが、デビュー間もないころに、17年度後期の朝ドラ「わろてんか」のオーディションに参加したこと。 

 「そのときに落ちたことがすごく悔しくて。でも悔しいって思えたことがすごくうれしくて。そこまで一つのことに自分の感情が動くって今まであまりなかったのですが、オーディションって分かりやすく結果が出るので、その分かりやすさが逆に良かったのかもしれません。どんなに時間がかかろうが、いつか朝ドラに出ようって思えるようになったんです」と明かしている。

 ◇自身も勇気づけられた“ある”シーン 「興味を持つということをこれからも大事に」

 福地さんにとって「わろてんか」、「半分、青い。」(18年度前期)に続き、“3度目の正直”となる朝ドラオーディションでつかみ取った夕見子役。夕見子といえば口が達者なだけでなく、酪農家として家族みんなで十勝に根を張る柴田家において、「土地には縛られたくはない」と平気で言ってしまうような、自立精神が旺盛な女性として描かれている。

 「脚本家の大森寿美男さんが書かれる夕見子のせりふは、自分自身で悩んでいたり、葛藤しているときにヒントになることが多い」という福地さん。第4週「なつよ、女優になれ」では、演劇に参加することになったなつが「泰樹(草刈正雄さん)のため」と言い訳すると、「あんたのそういうところ、本当につまんない」と突き放した上で、「やるなら自分のためにやんなよ。やりたいんでしょ? じいちゃんのためとか言ってごまかしてないでさ。それなら、私も応援するよ」と夕見子らしい叱咤(しった)激励で、なつの背中を押してあげるシーンがあった。

 実は同シーンの夕見子のせりふに込められた「興味があるならやってみる。それも誰かのためではなく、自分のために」という部分に福地さん自身が「勇気づけられた」といい、「もともと私も役者のお仕事に憧れみたいなものはなくて、お芝居をするってどういう感覚なんだろうという興味から始まったので……。この言葉を受けて、興味を持つということをこれからも大事にしていきたいなと改めて思えました。だからそのときの夕見子のせりふは『自分が言われたら』という思いを込めてなつに言いました」と振り返っている。

 ◇持ち続けたい「いちいち感動できるような心」と「好奇心」 

 そういった意味でも「なつぞら」の夕見子は、福地さんの今後の女優業において、「大いなる転機」となる可能性も。「すごく今の現場では役の成長とともに吸収することがたくさんあって、いろいろな意味で強くなっているのは感じています。チーム全体で力を合わせて作り上げる時間がとても濃密です」と福地さんも認めている。

 さらに「今までやったことのないような役だったり、考えてこなかった仕事にも挑戦できるんじゃないかという期待はあります。今後、どんな役に巡り合っても好奇心を持ち続けていたいですし、楽しいなという感覚にいちいち感動できるような心を持ち続けたいなって。その方がお得なのかなって思ったりして(笑い)、最初に感じた感動を忘れてしまわないように、この気持ちをお芝居をしている中で共有できたらすてきだなと思います」と目を輝かせていた。

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