高田夏帆:仕事にぶつけるいちずな思い 「仮面ライダービルド」の“みーたん”は「今脱皮している」

ドラマ「恋より好きじゃ、ダメですか?」で主演を務める高田夏帆さん
1 / 5
ドラマ「恋より好きじゃ、ダメですか?」で主演を務める高田夏帆さん

 特撮ドラマ「仮面ライダービルド」でヒロイン・石動美空(みーたん)を演じた女優の高田夏帆さん。RCC中国放送の60年特別企画ドラマ「恋より好きじゃ、ダメですか?」でドラマ初主演を務め、7月10日には同ドラマの劇中歌「大航海2020 ~恋より好きじゃ、ダメですか?ver.~」で歌手デビューを果たす。ドラマでプロ野球の広島東洋カープの大ファンの“カープ女子”日向あかりを演じた高田さんは、カープにいちずな思いを持ち続けるあかりを「魅力的」といい、自身がいちずな思いをぶつけるのは「絶対にお仕事」と力を込める。今を“脱皮の時期”と表現する高田さんにドラマや今後の目標などについて聞いた。

ウナギノボリ

 ◇初主演ドラマには「愛しかない」 最初は「できない」という思いも

 ドラマ「恋より好きじゃ、ダメですか?」は、広島カープ戦のプロ野球中継と次の番組をつなげるための“リリーフ”として機能する“特別中継ぎドラマ”。野球中継が早く終わった時にのみ放送するため、放送日は未定だ。4月3日に初回が放送され、現在は8話まで放送されている。主人公の日向あかり(高田さん)は、小さいころから大の広島東洋カープファン。充実するカープファン生活を送る一方、恋愛は失敗ばかり。そんなあかりの前に、あの伝説の赤ヘル山本浩二選手と同じ名前の男性が現れて……というストーリー。1話約15分で、全12回を予定。

 ドラマ初主演の話を聞いた時のことを「え、できない、できない、できない、できないって。役がどうこうよりも『そんな急に主役?』って思いました」と振り返る高田さん。「基本的に自分に自信がないので、うわー、どうしようと思いました。これまで野球にも触れ合う機会がなかったので、まず『セ・リーグ、パ・リーグって何?』というところから始まって、ゼロから勉強しました」と話す。

 撮影期間は2週間で「怒涛(どとう)の毎日を駆け抜けた」と高田さん。スタッフが広島をロケハンしたり、地元の人々にインタビューをするなどして制作したドラマには、広島カープの小ネタもふんだんに織り込まれている。また、高田さんらがマツダスタジアム(広島市南区)で野球観戦するシーンを撮る際は、地元の人がエキストラとして協力したという。

 高田さんは観戦シーンで、「地元の方が応援歌を率先して教えてくれたり、本当に優しくて。こういうドラマを東京の人が作るのは、地元の方からすると悪い気がするんじゃないかと思っていたんですけど、撮影では温かさを感じました。私たちは広島の方々の『カープのことになったらすごい』というオタク性をコミカルに描きたい気持ちで、もちろん愛しかなかったので、それを受け止めてもらえた気がして本当にうれしかったです」と笑顔で語る。

 ドラマは現在第8話まで放送されている。その反響は、広島カープが試合に勝つか、負けるかによって違うのだという。「カープの試合が終わった後に放送するから、カープが勝ったらやっぱりすごくすてきな反響が届くんです。逆に負けちゃったら、ドラマにも『何これ』みたいな反響がたくさん来る。だから、カープが勝った後にドラマが流れてほしいというのが本音です(笑い)」と冗談めかして語った。

 ◇仕事へのいちずな思い 「もう自信がないなんて言っちゃダメだ」

 高田さんが歌う劇中歌「大航海2020 ~恋より好きじゃ、ダメですか?ver.~」は、メンバーの多くが広島出身でカープファンとして知られる「ユニコーン」の楽曲「大航海2020」カバーで、元「ポルノグラフィティ」のメンバーで広島出身の白玉雅己さんが編曲を担当している。

 同曲で歌手デビューを果たす高田さんは「こんなすごい体験をさせてもらうことはないので、まず驚きでした」と話す。レコーディングには「邪念はとにかく捨てて、楽しんで全力でやるのが一番。元から技術は持っていないんだから、そんなことより精いっぱい歌うことが大事なんじゃないか」という思いで臨んだという。

 ドラマの印象的なシーンとして第5話であかりと山本浩二が「バカみたいに大声を出してカープの応援歌を歌う」シーンを挙げ、「2人にあるのは、野球が好きだからっていういちずな思いなんです。だから何事もいちずに思い続けているだけで大丈夫というか。周りのことをそこまで気にしなくてもいいのかなって思えました」と語る。

 高田さんは普段「結構エゴサーチしたりとか、すごい自分のことが気になっちゃうんです」と明かし、「でも、そんなことよりあかりみたいに自分の好きなものに自信を持って生きていけば、それだけで魅力的なのかなと思いました。周りが見えないぐらい好きになってもいいんじゃないかなって」と話す。

 そんな高田さんに「あかりのようにいちずな思いをぶつけるものは何か」と聞くと、「もう、絶対お仕事」という答えが返ってきた。高田さんは女優の仕事のほか、情報バラエティー番組「王様のブランチ」(TBS系)でリポーターを務めるなど幅広く活躍しており、「ジャンルは問わず、私はお仕事のうれしさが楽しさ、幸せにつながっている。逆に、お仕事で行き詰まった時は、プライベートも最悪。お仕事をいっぱいしたいんです」と明かす。

 ここ数年で仕事に対する意識も変わってきたという。「最初は、周りの友達や家族が喜んでくれるから頑張ろうって思っていたんです。でも、こんなに大きなお仕事をいただいて、これだけ周りの大人を動かしているので、『周りが応援してくれているから頑張ります』だけではだめな気がしていて。もうそろそろ責任と自覚を持って、『自分のために頑張っている』と思える力を持たなきゃなと思い始めました」と話す。

 続けて、「もう『自信ない』なんて言っちゃだめじゃないって。そんなこと言ったら、逃げ道を作っているし、先頭に立てない。今、自分が脱皮しているというか、意識が変わりだしているのかなと思います。よりプロフェッショナルに近づきたいと思うんです」と力を込める。

 自身を「実はネガティブ」と言いながらも、前のめりにドラマについて、仕事について語ってくれた高田さん。今後のさらなる活躍に期待したい。

写真を見る全 5 枚

テレビ 最新記事