大ヒットSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)」シリーズ全3作(ロバート・ゼメキス監督)が、日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」(金曜午後9時)で6月12日から3週連続で放送される。視聴者リクエスト企画の第2弾で、番組のホームページには「時代を超えた名作」「すべてが最高!」「とにかく見ていて楽しい」という熱量の高いコメントが寄せられた。1作目の公開から35年がたった今でも、「BTTF」が愛され続けている理由を探る。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
「BTTF」は1985年に1作目が公開され、世界でヒットを記録。その後、「PART2」(1989年)、「PART3」(1990年)も大ヒットとなった。高校生のマーティ(マイケル・J・フォックスさん)が、科学者のドク(クリストファー・ロイドさん)が作ったタイムマシンのデロリアンでタイムスリップするSF作品。1作目は1985年の30年前の過去、2作目では30年後の未来、3作目では100年前の西部開拓時代が舞台となっている。
1985年に1作目が公開されると、全米では「フューチャー現象」と呼ばれる社会現象を巻き起こすほどの大ヒット。日本では第1作が1985年末に公開され、興行収入約36億5000万円と、1986年の洋画国内配給収入で1位を記録。「PART2」「PART3」は1989年末~1990年に公開された。「PART2」の興収は約55億3000万円、「PART3」の興収は約47億5000万円となり、1990年の洋画国内配給収入でワンツーフィニッシュを飾る大ヒットとなった。
「BTTF」といえば、タイムスリップを生かしたネタの数々が見どころだ。例えば、マーティが1985年から1955年にタイムスリップしたが車にひかれ、学生時代の母・ロレインに介抱されるシーン。マーティが履いていたパンツのゴムに「Calvin Klein」と書かれていたため、ロレインはマーティの名前を「カルバン・クライン」と思い込む。1955年には「カルバン・クライン」のブランドは存在していなかったため成立するギャグシーンだ。
マーティが1985年に戻るために、若きドクに会いに行く場面では、未来から来たと話すマーティを信用できないドクが「1985年の大統領は誰だ?」と尋ねる。マーティは「ロナルド・レーガン」だと回答するのだが、ドクはこれをばかにする。1955年のロナルド・レーガンは俳優として活躍していたので、当時の感覚では大統領になっているなどと思うはずもない。
またダンスパーティーにバンドとして参加することになったマーティが、1曲演奏するよう要求され、「懐かしいオールディーを1曲。僕のいたところではオールディーです」と言って披露するのは、1958年に発売されたチャック・ベリーの名曲「ジョニー・B.グッド」だ。ノリノリで演奏を終えると、新しいサウンドにポカンとする会場に、マーティが「君らにはまだ早かったかも」とつぶやくくだりは、最高のシーンだ。
◇「未知との遭遇」「E.T.」から続く「明るいSF」の系譜
また、公開された1985年当時、明るい作風の大作SF作品が少なかったことも、「BTTF」が愛されている理由の一つだろう。当時ヒットしたSF作品には、1979年に公開された「エイリアン」(リドリー・スコット監督)や1982年の「遊星からの物体X」(ジョン・カーペンター監督)、同年の「ブレードランナー」(スコット監督)、1984年の「ターミネーター」(ジェームズ・キャメロン監督)などがある。いずれも名作ぞろいだが、やや暗いディストピア作品が多いのが特徴だ。
そんな中、1982年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の傑作「E.T.」は、地球外生命体と人類の心温まる交流を描いて大ヒットとなった。明るいSFとなった「BTTF」には、「E.T.」のほか、宇宙人とのコンタクトを描いた「未知との遭遇」(1977年)も手がけ、製作総指揮として参加したスピルバーグ監督の影響もあったのかもしれない。
世間では緊急事態宣言が解除され、徐々ににぎわいを取り戻しつつあるが、かつての日常とはほど遠い生活が続いている。こんな時だからこそ底抜けに明るい「BTTF」を見て、元気を取り戻してもらいたい。
俳優の広瀬アリスさんが主演を務めるフジテレビ系“月9”枠の連続ドラマ「366日」(月曜午後9時)。4人組バンド「HY」の名バラード「366日」の世界観に着想を得たオリジナルストー…
ドラマ「あぶない刑事(デカ)」(通称・あぶ刑事)シリーズの最新作となる映画「帰ってきたあぶない刑事」(原廣利監督、5月24日公開)の完成披露舞台あいさつが5月3日、横浜市内で行わ…
「第96回アカデミー賞」で視覚効果賞を受賞したことも話題になった映画「ゴジラ-1.0」(山崎貴監督)が、Amazonの動画配信サービス「Prime Video」で5月3日に見放題…
アジアを代表するアクションスター、ジャッキー・チェンさんの名前を世界中に広めた出世作として、今も人気を博すカンフー映画「ドランクモンキー酔拳」が、5月2日午後6時からBS12 ト…
4月30日に発表された26~28日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版最新作となる第27作「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(…