放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
俳優の吉沢亮さん主演の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に徳川昭武役で出演している板垣李光人さん。「プリンス・トクガワ」の名で知られる昭武は、徳川慶喜(草なぎ剛さん)の名代として、渋沢栄一(吉沢さん)と共にパリ万国博覧会へ出向いたことでも知られる人物だ。昭武がナポレオン3世に謁見する場面は、「日本の歴史の先頭に立って歩くシーンになっている」という板垣さんに、「花燃ゆ」(2015年)以来2度目の大河ドラマ出演で感じた“責任感”などを語ってもらった。
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昭武は1867年に渡仏。10代前半という若さで大役を担った昭武に対して、「ただパリに行くということではなくて、日本の今までの歴史なども背負って、万国博覧会で『日本がこういうところ』ということを示したり、ナポレオン3世に会ったり、ただならぬというか……」と驚く板垣さん。
意識したのは「普通の14歳では感じることのないような“圧”を押しのけて、堂々とたたずんでいるところ」で、「やっぱり、強さと覚悟というのは、パリに行く上で一番大事なところではあるかな」と語る。
一方、「国を背負っているわけなので、『自分では無理だな』と思いました」と正直な思いも吐露。「慶喜が昭武に任せようと思えるほど、相応の品位だったり、カリスマ性みたいなものがあったんじゃないかなと思います。任せようと思えるたたずまいやしゃべり方が、すごく大事になってくるんだろうなということは、昭武役の話をいただいたときに思いました」と打ち明ける。
パリのシーンはほとんどがCGによる撮影であったため、環境を想像する「集中力」が求められたという。
「ナポレオンに謁見するシーンなどは、事前に映像を見せていただきました。絢爛(けんらん)な宮殿に人がたくさん並んでいて、正面にナポレオンがいるという空間の中を、おずおずと進んでいくわけなんですけど。実際であれば、人がいる緊張感だったり、呼吸だったりとか、宮殿に足音が響いたりとか。そういう環境を、全部自分の中で想像しながらやらなきゃいけないというところに集中力を求められました」と振り返った。
板垣さんが大河ドラマに出演するのは、「花燃ゆ」以来2回目。「オーディションが去年の2月くらいにあって。(出演の)お話をいただいたのは、10月くらいだったので、正直、(オーディションに)行ったことを忘れたくらいになってから(出演の話が)きたので、すごくびっくりしました」といい、「10代のうちに2回も、大河ドラマという1年を通した大きな作品を経験させていただけるのは、すごくぜいたくなことだなと思います」と話す。
「花燃ゆ」出演時よりも“責任感”を感じるようになったという板垣さん。準備にも一層力が入ったようで、とりわけ「所作」にはこだわった。
「自分の日常生活はすごく堕落しているので、プリンスとは程遠くて」と笑顔を見せ、「ちゃんと意識しないとできないところがあるので、それこそ歩き方とかは(日常でも)意識しています」と語る。「一つの決まった動きというものを、自分の中で噛み砕いて、昭武なりの動きにして台本を読み進めるという点は、やっぱりこういう作品ならでは」とも話した。
一方、主演の吉沢さんとの共演について聞かれると、「いろいろな作品を拝見してはいたんですけど、実際に芝居をさせてもらって、やっぱりすごく目がすてきで、きれいだなと思って」としみじみ。「初めて見る世界に目を輝かせて、子供のようなすごく澄んだ目をされているときもあれば、タカのようなすごく鋭い目をされているときもあって」との印象を抱く。
そんな吉沢さんが演じる栄一は、昭武と身分は違えど、“特別な絆”を結ぶことになる人物だ。栄一について、「昭武にはより近しい家臣はいるのですが、なぜ栄一にそこまで昭武が信頼を置いて、そういう関係を築けたのかということに関しては、栄一がパリに行く中で見せた柔軟な考え方や、聡明さだったりとかに(魅せられたことに)ある」と持論を展開。
「栄一と出会って、パリでもいろいろな問題や、考え方の違い方だったりとかも起きてくるのですが、栄一が昭武と通ずるような考え方を持っていたりとか。政府が一新して、自分がどうするべきかってなったときにも、栄一の考えにすごく心を打たれたというところはあったと思います。柔軟さみたいなところで、栄一に惹(ひ)かれたというか。昭武が身分を越えて、心を重ねるところは見どころになってくるんじゃないかと思います」とアピールした。
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