女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合)の総集編が、5月4日午後2時から総合で放送される。SNS上は視聴者からの感想であふれ、近年まれに見るほどの盛り上がりとなった本作では、名言、名シーンが次々と誕生した。総集編の放送を前に、そんな珠玉の名言の数々を「安子編」「るい編」「ひなた編」で振り返る。今回は「安子編」を取り上げる。
ウナギノボリ
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「カムカムエヴリバディ」は、朝ドラ史上初の3人のヒロインが織りなす100年のファミリーストーリーで、昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く。上白石さんは祖母の安子役、深津さんは母のるい役、川栄さんは娘のひなた役として、バトンをつないだ。
「安子編」の起爆剤となったのが、初代ヒロイン安子の夫・雉真(きじま)稔(松村北斗さん)だ。稔と出会い、恋心を募らせていた安子にある日、見合い話が舞い込む。安子は、最後の思い出を作ろうと、稔がいる大阪へ。結局思いを伝えることができぬまま岡山へ戻り、帰りの汽車の中で涙する安子の前に、別れたはずの稔が現れ、「そねん、小せえカバン一つで配達もねえじゃろう。何で泣いてるん? 安子ちゃん。何があったの?」と声を掛けた。優しさに胸キュンする視聴者が続出し、稔の人気を確たるものにした。
稔と結婚した安子はるいを出産。るいという名前は、2人の思い出の曲「On the Sunny Side of the Street(オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート)」を歌うルイ・アームストロングから稔が命名した。「どこの国とも自由に行き来できる。どこの国の音楽でも自由に聴ける。僕らの子供にゃあ、そんな世界を生きてほしい。ひなたの道を歩いてほしい」という思いが込められていた。だがそんな娘の姿を見ることなく、稔は戦死する。安子の実家である和菓子屋「たちばな」も、空襲で焼け落ちた。
戦後、安子はるいと大阪で2人暮らしを始めるが、るいは交通事故に遭い、額に一生ものの傷を負ってしまった。戦後の世の中を女手一つで生き抜くのは難しく、安子は再び岡山へ戻ることになる。
るいの傷の治療費を稼ぐため、おはぎを売り歩く商売を始めた安子は、義父・千吉(段田安則さん)からるいを連れ歩くことを反対される。家に残されたるいは、女中の雪衣(岡田結実さん)に「何でお母さんと一緒におはぎを売ったらいけんの? 何でお母さんは私のことをここへ連れてきたん?」と聞く。
雪衣は「安子さんはあきらめたんじゃと思います。女手一つでるいちゃんを育てることをあきらめて、雉真の家にお返ししようと決めたんじゃ思います」と教えた。この言葉は放送当時、“呪いの言葉”として話題になったほか、安子とるいが離れ離れになる遠因ともなった。
兄・算太(濱田岳さん)と共に「たちばな」再建に向けて動いていた安子だったが、算太が資金を持って失踪してしまった。算太を捜しに大阪に来た安子は、街を何日も歩き回り続け、雨の中に倒れこんでしまう。目を覚ますと、介抱していたのはロバート(村雨辰剛さん)だった。ロバートが「I love you」と安子に告白し、米国へ共に渡ることを提案する。それを幼いるいが目撃していた。
安子はロバートに感謝の言葉を述べると同時に、どれほどるいを思っているのかを語り、渡米を断る。しかし、るいは安子とロバートの関係を誤解したまま、安子に額の傷を見せつけ「I hate you(大嫌い)」との言葉をぶつけてしまう。るいの言葉にショックを受けた安子は、ロバートの申し出を受けて渡米。こうして「安子編」は幕引きとなり、視聴者に大きな衝撃を与えた。
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