家庭教師のトラコ:「家政婦のミタ」コンビの新ドラマ、なぜ家庭教師なのか ドラマPが明かす真意

連続ドラマ「家庭教師のトラコ」のプロデューサーを務める大平太さん
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連続ドラマ「家庭教師のトラコ」のプロデューサーを務める大平太さん

 女優の橋本愛さん主演の連続ドラマ「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系、水曜午後10時)が7月20日に始まる。大ヒットドラマ「家政婦のミタ」(2011年)を生み出した脚本家の遊川和彦さんとプロデューサーの大平太さんが再びタッグを組んだヒューマンドラマで、家庭教師という職業が題材になっている。その理由について、遊川さんと20年以上の付き合いのある大平さんに聞いた。

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 ◇「家政婦のミタ」は“面白い発明” 「家庭教師も全く同じ」

 ドラマは、遊川さんと大平さんによるオリジナル作で、それぞれ問題を抱えた三つの家庭を、橋本さん扮(ふん)する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)が救う物語になる。

 遊川さんと大平さんのコンビの代表作としては、松嶋菜々子さん主演の「家政婦のミタ」が挙げられるだろう。松嶋さん扮する、常に無表情でミステリアスな家政婦・三田灯が主人公で、大平さんは「家政婦に雇われただけで、見ず知らずの家庭に入り込んで、いろいろなものを見られるというのは、ドラマとして面白い発明でした」と語る。

 さらに大平さんは、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督、2019年公開)に触れる。同映画では、貧乏な家族のきょうだいが家庭教師として、裕福な家族の豪邸に入り込む。大平さんは「雑談レベルで、遊川さんと『家庭教師も家政婦と全く同じですよね』という話をしました。そして、今回企画を考える中で『家庭教師というワードが面白いね』となりました」と振り返る。

 ◇「世界観はミタと似ているかも」

 主人公を家庭教師にすることが決まった。大平さんによると、遊川さんは「ただ受験テクニックを教える家庭教師は普通だから、一つテーマが欲しい。お金の使い方について考えてみない?」と話したといい、今作では“正しいお金の使い方”がテーマになっている。

 大平さんは「お金は誰もが興味のあるテーマです。僕自身、あと少しで60歳の定年なので、お金のことを真剣に考えようとしていました。『死ぬまでにいくら持っていれば安心できるだろう』と考える年齢でもあったので、“お金の使い方”というテーマは面白いと思いました」と語る。

 「家庭教師のトラコ」というタイトルは、大平さんが考案した。「『過保護のカホコ』のようにパンチのあるものがいいなと思いました。企画書では(仮)を付けていたのですが、いつの間にか取れていました。タイトルがキャッチーだったせいか周囲から好感触で、どんどん話が進んでいきました」と明かす。

 遊川さんと大平さんのタッグが注目を集めている今作。大平さんは「世界観はミタと似ているかもしれません。ミタを知っている人は同じ匂いがするかもしれませんが、違った若い主人公を迎え、新しくて面白いエンターテインメントができた手応えがあります」と自信をのぞかせていた。

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