山田涼介:「親愛なる僕へ殺意をこめて」で二重人格の主人公 「四苦八苦している自分を楽しんでいる」 役作りや見どころ語る

10月5日スタートの連続ドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」(フジテレビ系、水曜午後10時)で主演を務める山田涼介さん
1 / 1
10月5日スタートの連続ドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」(フジテレビ系、水曜午後10時)で主演を務める山田涼介さん

 10月5日スタートの連続ドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」(フジテレビ系、水曜午後10時)で主演を務める人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さん。ドラマは、人気同名マンガが原作の「二重人格サスペンス」で、山田さんは主人公で二重人格の大学生・浦島エイジを演じる。初めて二重人格の人物を演じる山田さんに、役作りやドラマへの思いなどを語ってもらった。

ウナギノボリ

 ◇四苦八苦している自分を「楽しんでいる」

 ドラマは2018年5月~2019年8月に「週刊ヤングマガジン」(講談社)、2019年8月~2020年9月にウェブマンガサービス「コミックDAYS」(同)で連載され、累計発行部数が130万部を突破した同名マンガ(原作・井龍一さん、マンガ・伊藤翔太さん)が原作。自らの二重人格を悟った大学生の浦島エイジ(山田さん)が、“もう一人の自分”が殺人を犯しているかもしれないと底知れぬ不安に駆られ、真相を明らかにしようと決意し、驚きの事実に直面する姿を描く。エイジと出会ったことで犯人探しを決意するヒロイン・ナミ役で女優の川栄李奈さんも出演する。

 もともと原作マンガを読んでいたという山田さん。「(実写の主人公を)誰かいずれやりそうだな、と思っていたら、俺(笑い)。『俺かい』と……」と振り返る。グロテスクな描写も多い原作のドラマ化だが「僕は、すごくアリだなと思っていて。苦手意識を持つ人もいると思うけれど、何よりも内容がハラハラドキドキする、スリル満点なものになっている。実写化しやすい作品だなと思いました」と語る。

 原作ファンの山田さん自身も撮影には手ごたえを感じている。「ある程度の制限はかかっているけど、チャレンジしていると思います。やれる範囲の、最大限の原作へのリスペクトを込めてチャレンジしているな、という感じがしていて。原作ファンの僕からみても納得のいく内容。限られた時間内のものになるのでオリジナリティーはどうしても入ってくるけれど、本筋からは外れていないし、見たいシーンも表現していると思う。原作ファンも初めて触れる方も楽しめるドラマになっていると思います」と自信をみせる。

 演じるのは、“人生楽しんだもん勝ち。楽しければそれでいい”と、仲間と毎日をヘラヘラ過ごしている大学生のエイジ。だが実は、実の父親がかつての連続殺人事件の犯人であり、少年時代はいじめやひどい嫌がらせにあうなど過酷な人生を歩んできた人物だ。エイジは自分が二重人格であることを知り、“もう一人の自分”である“B一”が犯しているかもしれない事件の真相を探ろうとする。そんな役について、山田さんは「前編・後編だと思ってもらいたいな、と思っているんです」と語る。

 「(前半は)僕らは“A面”と呼んでいて、B一が出てくる後半は“B面”。その振れ幅を僕も監督も考えていて……。僕の中では、B一の方が演じるのは簡単で、そこに向けてどれだけ振れ幅を出せるかは、エイジにかかっている。エイジのおどけた姿、明るさ、人の良さ、びっくりの仕方……そういう細かい部分に気をつけながら演じ分けている感じです」と山田さん。「“クール”って無言とか無表情とか言葉で表しやすいんですけど、何かを背負いながらおどけたやつ、は言葉で表しづらくて、具現化するとなるとすごく難しく、それを自分の中で構築していく作業が必要。僕も何かに驚いたりすることがなかなか日常ではないから、エイジの方が難しいと思いながら演じていました」と振り返る。

 過密スケジュールの中でそんな二役を演じ分け、ときには「自分の中で訳が分からなくなりそうになる」と苦笑する。役に引っ張られることはないが、「今回は、(普段の)アイドルと、エイジと、B一と、3役になっているから、ちょっとこんがらがる部分があるというか、切り替えがすぐにはできない部分はあります」。

 多忙ゆえ息抜きをする時間もないが、俳優という仕事の中に楽しみを見いだしている。「エイジを演じている時間、考えている時間は、苦ではないし楽しい。演じることは、お仕事の中でも相当好きなので。この現場で四苦八苦している自分を楽しんでいる感じはしています」と笑う。

 ◇「ゲームをやっているときの僕が素」

 二重人格の主人公を演じる山田さん。自身については「バラエティーの顔があって、アイドルの顔があって、ゲーマーの顔があって、俳優の顔があって……『どれが本当の山田君なんでしょう?』と質問がくることもありますけど、『どれも本物の山田君なんでしょう』と(笑い)」と楽しげに語る。特に、個人のYouTubeチャンネルを持つほどのゲーマーな一面について「あれが“素”なので。ゲームをやっているときの僕が。家だし、普段の僕です」と打ち明ける。

 エイジの“もうひとつの顔”であるB一については「かっこいいな、という目線では見てほしくないキャラクターではある」としつつ、「B一は、いろんなことを経験して背負っているキャラクター。何かを背負って生きている人間って、かっこよく見えたり、寂しく見えたりするじゃないですか。そういう部分に共感してほしいなと思いますし、何かを背負いながら無理して明るく振る舞っているエイジの人の良さのようなところにも、寄り添いながら見てほしいなと思います」とキャラクターの魅力を語る。

 ヒロイン役を務めるのは、2021年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」以来となる連続ドラマ出演の川栄さんだ。山田さんは川栄さんについて「人見知りと聞いていたんですけど、ゲラな方で、よく笑っているんです」と印象を明かし、「メークさんが出してくれたなぞなぞにとんちんかんな答えを言いながら、げらげら笑いあっていて」と和気あいあいとした撮影エピソードを明かす。

 共演陣では、半グレ集団「スカル」のカリスマ的リーダー“サイ”こと佐井社を演じる歌舞伎俳優の尾上松也さんについて「まじでやばい役なんですよ(笑い)」と楽しそうに語り、「まじでやばい見た目だし、演じ方も入り込み方もやばい。原作の怖さプラス、松也さんが作り出すサイというキャラクターの怖さが、原作以上の怖さを出しているようなところがあります」と絶賛する。エイジの義父・浦島亀一を演じる遠藤憲一さんについても、以前に別のドラマの撮影時にスタジオの廊下でよくすれ違っていたといい、「『俺は「Hey! Say! JUMP」と共演する率が高いんだ』と言ってきていて。クランクインされたときも同じことを言っていて、『前に聞きました』と(笑い)。すごく面白い方で、イメージと違いました」と印象を明かす。

 エイジの恋人となる女子大生・雪村京花役の門脇麦さんとは、映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」依頼2回目の共演で、「(前回は)同じシーンがあまりなかったんですが、キャンペーンや宣伝のときに一緒になって、『この人面白いな』と思っていました。さばさばしていて、話していてすごく面白いし、話も合う。一緒にいて楽ですね。演技もすごく上手な方で、ご一緒するシーンが多いので、すごく心強いなと思って一緒にいさせてもらっています」と語る。

 そんなドラマの見どころについて、「水曜の夜10時が、みなさん頭を使う時間になるんじゃないかなと思います」と山田さん。「休みながら見てほしい、というドラマではなく、ハラハラドキドキしながら、毎週を楽しみにできるドラマ。一緒に推理しながら、誰が犯人なのか、そこに何があるのか、自分の目で、毎週楽しみにしながら確認していただけたらと思います」と語ってくれた。

テレビ 最新記事