小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)で雑色のトウを演じてきた山本千尋さん。11月27日放送の第45回「八幡宮の階段」では、自ら命を絶とうとする政子(小池栄子さん)をトウが阻止するシーンが登場した。源仲章(生田斗真さん)、実朝(柿澤勇人さん)、公暁(寛一郎さん)の最期が次々と描かれた惨劇回にあって、視聴者から「トウが政子の自害を止めたのが救いだった」といった声が上がったが、「トウとしても救われた瞬間だったし、私個人としても(役者として)気付かされて、希望の光が見えた瞬間でした」という山本さんに、撮影エピソードを語ってもらった。
息子の実朝と、孫の公暁を相次いで亡くし、悲しみに暮れる政子。一方、トウはというと、仲章の暗殺に失敗し、捕らわれの身となっていたが、隙(すき)を逃さず、見張りの者たちをあっという間に倒し、満身創痍(そうい)の状態で屋敷を抜け出す。そしてトウは、今まさに小刀で自らを刺そうとする政子の背後から忍び寄り、「ならぬ」と自害を阻止。「では、あなたが殺して」と頼む政子に、トウが「自ら死んではならない」と告げると、政子は、堰(せき)を切ったように嗚咽(おえつ)し……と展開した。
第33回「修善寺」(8月28日放送)で「両親の仇(かたき)」として“育ての親”の善児(梶原善さん)を討ったあと、暗殺には失敗続きだったトウ。
山本さんは「善児亡き後、トウは実は誰も殺していなくて。『一体何をしているんだ』と視聴者に思われても仕方がないですし、私自身『トウはなぜまだ生きているんだろう。この子はどうしたいんだろう』と、33回以降、ずっとモヤモヤしていました」と明かす。
仲章の暗殺失敗では、自分の身が危険にさらされた。
山本さんは「でも、北条政子とのシーンの前に初めて自分の命と向き合う瞬間があって。今まで無慈悲に人を殺してきたトウが、初めて自分が死に際に立たされたとき、いろいろなことがよみがえったと思うんです」と推測。その上で政子との“邂逅(かいこう)”については、「そこでたまたま見かけた政子。トウ自身、それが政子と分かっていたのか定かではないのですが、自害しようとしている政子がいて、いつものトウであれば、すーっと通り過ぎているはずなのに、止めるトウがいた。本人も気付いてはいないんだろうけど、どこか心の中で『普通の人になりたかった』と思っていて。10歳で親を殺され、自分を真っすぐ見つめてくれる人に出会ったことがなかっただろうトウが、政子と見つめ合って、手が触れた瞬間、政子が母親のような、仏のような存在に思えて。十数話の間、悩み続けてきたものが、すーっと抜けた瞬間だった」と振り返った。
政子を救ったトウの目には光るものもあったが……。
山本さんは「ト書きには涙を流すトウとか、涙をこらえるトウとか、書かれていたわけではないのに、なぜか政子に手を握られると涙が出てくる自分がいて。こんなに感情を揺さぶられたのは初めてだったので」と“涙のワケ”を告白する。
脚本の三谷幸喜さんから「トウはなにも考え込まず、小池栄子さんに身をゆだねていたら絶対いい芝居できるから、大丈夫」と言われていたという山本さんは、「だから特に考え込まず、シーンに挑んだら、想像以上に自分が心揺さぶられてしまって。そういうことがお芝居してきて、26歳にして初めてのことだったんですね。これが“引っ張られる”ってことなんだ、お芝居しているってこういうことなんだと。自分のプラン通りじゃないものが意外とお芝居なんだなって思いました。正直トウとしても救われた瞬間だったし、私個人としても気付かされて、希望の光が見えた瞬間でしたね」と思いを語った。
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