NHKの「ドラマ10」枠(総合、火曜午後10時)で1月10日から放送される「大奥」。男女の役割が逆転した江戸時代が舞台の本作で、8代将軍・徳川吉宗を演じるのが冨永愛さんだ。「俳優業をさせていただいている中で、時代劇に出たいっていうのは自然な欲望でした」と話す富永さんに、初めての時代劇に挑む心境について語ってもらった。
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ドラマは、2004~20年にマンガ誌「メロディ」(白泉社)で連載された、よしながふみさんの人気マンガを実写化。若い男性のみに感染する病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」で、男性の人口が女性の4分の1に激減した江戸時代を舞台に、将軍職が女性へと引き継がれ、大奥は美男3000人と称される男の世界になり……という設定で物語が展開する。
「オファーをいただいたときは、まさかと思いました」という富永さん。自分が何役か知らないまま原作マンガを読み、「『吉宗っぽいな』と思った」というが、一方で「大役だから違うだろう」とも感じたという。吉宗役に決まったときは「時代劇も初めてですし、吉宗は皆さんが知っている人物。大変な役ですが『精いっぱいやります』とお引き受けさせていただきました」と明かす。
また、自身の演じる役が「吉宗っぽい」と感じた理由だが、「完全に消去法」としつつ、吉宗のキャラクターが「パブリックイメージの冨永愛とよく似ている」とも告白。「スパッとキリッとやりそうじゃないですか、冨永愛は(笑い)。男勝りなところもあるし、そういうイメージがぴったりなんじゃないかなと思いました」と語った。
もともと歴史が好きで、時代劇に出たいという思いも強かったという。「時代劇をやりたいと思い始めてからは、殺陣の稽古(けいこ)と乗馬を練習しながら準備をしていました」と明かし、「自分がどんな役をできるのかと考えたとき、まず着物の丈が女物だと足りないなと思ったんです(笑い)。私が着物を作るときは男物の反物で仕上げるので、きっとテレビ局が持っていらっしゃる着物には、私が着られるサイズはないだろうなと。だから、オファーをいただけるとしたら男役かなと思っていましたね」と話した。
今回は予想に反して女役での出演で、「女性の装いの将軍役なので、着物は一から作ってくれました。それも反物ではなく、いろいろな布を取り寄せて仕立ててくださって。非常にすてきな着物です」とうれしそうにほほ笑んだ。
原作を読み、最初は“男女逆転”の設定に違和感を覚えたこともあったという富永さん。読み進めているうちに、「実際にあったことをきちんと描きながらも、森下佳子さんらしい脚色をしながらお話が展開していったので、読み終わったときに『実はそうだったんじゃないか』って思うくらいのリアルを感じました」と絶賛する。
初めての時代劇の撮影については「歴史が大好きなのでとても楽しいです。スタジオやロケのセットが『日光江戸村』みたいで(笑い)。美術さんが用意してくださっている小道具とか、細かいところまですごくよくできているんですよ」と笑顔を見せた。
一方で、収録中は常にドキドキしながらモニターをチェックしているといい、「時代劇も初めてですし、俳優としてもそんなにたくさん作品に出させてもらっているわけではないので、きちんとできているのかどうか……。ちゃんと吉宗になれているのか不安を抱えながらモニターを見ています」と吐露。「モデルの仕事では、ここまでの緊張感はないですね。常にいい意味での緊張感を持ちながら仕事はしていますが、俳優業に関してはひよっこなので本当に胃が痛いです」と率直な感想を語った。
最後に、1月10日の第1回放送に向けて、「本当に気が気じゃない感じですが、胃薬を飲みながら見ようと思います(笑い)」と話していた。
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