錦戸亮:4年ぶりテレビドラマへの思い語る 自身の役は「ちょっとメルヘンな存在」「特殊な役どころに挑戦」

連続ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」に出演する錦戸亮さん(C)NHK
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連続ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」に出演する錦戸亮さん(C)NHK

 NHKのBSプレミアム・BS4Kで放送中の連続ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(毎週日曜午後10時)。岸田奈美さんがブログにつづったエッセーに、家族や関係者への取材によるエピソードや独自の視点での脚色を加えてドラマ化した。本作で、主人公・岸本七実(河合優実さん)の父・耕助を演じているのが錦戸亮さんだ。4年ぶりのテレビドラマ出演となる錦戸さんに、自身の役や見どころについて話を聞いた。

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 ◇“幻視”として登場「物語の世界観になじめたら」

 原作は、ベンチャー企業家だった父は急逝し、母は突然車いす生活に。弟はダウン症、祖母は物忘れの症状が……という岸田さんの家族の「情報過多」な日々の出来事がつづられている。

 ドラマでも、錦戸さん演じる耕助は、幼い七実と弟・草太(吉田葵さん)を残し急逝。劇中では、そこにいるかどうか分からない幻視のような存在として登場する。

 錦戸さんは「(原作者の岸田さんの弟が)実際に何かが見えてるみたいに感じるときがあるらしくって」と前置きした上で、「今回の役はちょっとメルヘンな存在というか、特殊な役どころに挑戦しました。物語の世界観に自然になじめたらいいなと思いますね」と意気込みを語る。

 役作りは特にしていないというが、「僕ができることを僕なりに精一杯やれたらと考えています。その中で、分からないことがあったら監督や共演者の方々とお話ししながらやっていますね」と明かす。また「耕助は隠れるシーンが多い」といい、「このセリフを言って、(他の演者が)どこか向いている瞬間に消えて下さいとか」と撮影の裏側を明かす。

 耕助の生前の回想シーンも描かれるが、「生前の耕助と幻視の耕助を見分けるポイントは、僕の髪の毛がくるくるしているか、していないか。くるくるしていたら『これは生きているときだな』って思っていただけたら」と笑顔を見せる。

 ◇ドラマの世界にどっぷりつかってほしい

 初めてドラマの台本を読んだとき、錦戸さんは「いろいろな仕掛けがある台本で、どうなるんだろう? 楽しみだな」と感じたという。

 「時間が行ったり来たりするところもあれば、最初は主人公の七実から見ていた視点が、1話ごとに七実の母・ひとみ(坂井真紀さん)や、耕助の視点に切り替わっていって。実はこの人の立場から見ると『このシーンには続きがあった』とか『裏ではこんなことになってたんだ』という新たな発見もあるので、一つの出来事の中でもいろいろな見え方を楽しんでいただけると思いますね」

 主人公の七実は、父親を亡くし、母親までも車いす生活になってしまう。錦戸さんは「大変っていう言葉を僕から言うのはおこがましいんですけど、原作者の岸田さんはおそらくドラマ以上に大変なことがあったと思うんです。そこを切り取り、強く生きていく七実の成長を描いたドラマなので、まずは岸田さんやそのご家族の方々に受け入れてもらえたらうれしいなと思いますね。もちろん、多くの人にも見ていただけたらうれしいです」とアピール。

 最後に見どころを聞くと、「『人それぞれに人生がある』っていうところが見どころの一つじゃないですかね。だからといって、『みんな頑張ろう』みたいなことではなくて、ドラマを見ている50分間は、お風呂に入るみたいに、その世界観にどっぷりつかって、それぞれの登場人物からの視点や目線を楽しんでいただきたいです」と語っていた。

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