若村麻由美:「必要とされる役者で居続けたい」 主演ドラマ「この素晴らしき世界」は“一人三役”の感覚

連続ドラマ「この素晴らしき世界」で主演を務める若村麻由美さん(C)フジテレビ
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連続ドラマ「この素晴らしき世界」で主演を務める若村麻由美さん(C)フジテレビ

 7月20日スタートの連続ドラマ「この素晴らしき世界」(フジテレビ系、木曜午後10時)で主演を務める若村麻由美さん。地上波連ドラで主演を務めるのは20年ぶりとなる若村さんに、撮影に臨む心境や役作りについて話を聞いた。

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 ◇準備期間の短さに不安 周囲の温かさに「やっていける」

 「この素晴らしき世界」は、スーパーマーケットでパートとして働く平凡な主婦・浜岡妙子が、容姿と声がそっくりという理由から、スキャンダルで国外逃亡した大女優・若菜絹代になりすますことを依頼され、二重生活を強いられるコメディードラマ。

 ドラマは当初、鈴木京香さんが主演を務める予定だったが、体調不良で降板を発表。若村さんが代役を務めることになった。

 代役が決まった時は、準備期間の短さに不安もあったという若村さん。撮影に入ってからも「まだ不安です」と率直な思いを吐露。しかし、スタッフやキャストが温かく迎え入れてくれたことで、「この素晴らしいスタッフと共演者とだったらやっていける! って、大きな安心感と共に楽しさを感じました」と笑顔を見せた。

 「実際に現場に入って、セリフを言った時に『一歩踏み出したんだな』という感覚がありました。(制作発表会見で)皆さんの前で作品を発表することも私にとっては実はすごく大きな事で、それがまた新たな一歩。改めて、この作品を皆さんにお届けできる喜びを感じています」

 ◇「自然と変わってくる」“一人三役”の演じ分け

 同作で、平凡な主婦・浜岡妙子と大女優・若菜絹代を一人二役で演じる若村さん。「私は主婦の妙子、妙子が若菜絹代になりすましている姿、大女優の若菜絹代を演じることになるので、一人二役とは言っても、実際には“一人三役”を演じているようなものなんです」と説明した。

 そんな“一人三役”を演じるうえで意識していることはあるのだろうか?

 「私の中では、まずは主婦の妙子がベースにあります。そこから派生した“妙子若菜”(妙子が若菜になりすましている姿)は、絹代の扮装(ふんそう)はしているんだけど、どこかに妙子が頑張っている感じが出せればと思っています。最初の方のシーンで、妙子が若菜の格好をさせられるのですが、『もう何が何やら』みたいなセリフがあるんです。それがまさに今の私みたいで(笑い)。妙子と状況がちょっとかぶっているようなところもあって、無理なく役に入れました」

 “悪魔的”なキャラクターだという若菜絹代については、「まだ悪魔的なシーンはあまり撮っていないんです。どんなふうに悪魔なのかは私もまだ分からないんですけど、今から演じるのが楽しみですね」とほほ笑んだ。

 演じ分けについては、「シチュエーションがしっかりあるので、自然に相手役の方とセリフを交わす中で声のトーンや役の重心が決まってくるんです。自然と姿勢も変わってくるし、歩き方も変わってくる。人に対してどう見せたいのかとか、人との距離感で人物像ができていくんだなと、このドラマをやることで改めて気付かされました」と語った。

 ◇芸能界は“素晴らしき世界”

 ドラマの見どころを聞くと、「普通の人が見たこともない業界の裏側を面白く見せながら、その都度、普通の主婦がカルチャーショックを受けていくところ」と若村さん。

 “芸能界あるある”も満載だといい、「毎話展開が早くて、いろんなことが詰め込まれているので、最後まで飽きずにご覧いただけると思います」とアピールした。

 妙子の衣装は白シャツにデニムやパンツが多いが、「妙子が若菜絹代になりすまし、だんだんと目覚めていく中で、日常生活での白いシャツもちょっとずつデザインが変わっていくんです。そこに心境の変化が描かれているので、ぜひ注目してほしいです」と話した。

 最後に、若村さんにとって芸能界とはどんな場所なのかと尋ねると、「私にとって“素晴らしき世界”です」と笑った。「今回もそうですけど『あなたに』って言っていただけることって何よりもありがたいなと。必要とされることは本当に幸せなことだと思うので、『あなたに』って言っていただける役者で居続けたいなと思います」としみじみ語っていた。

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