山本千尋:主演ドラマで感じた次代へのサポートの大切さ 「埼玉のホスト」きょうスタート

ドラマ「埼玉のホスト」で主演を務める山本千尋さん
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ドラマ「埼玉のホスト」で主演を務める山本千尋さん

 7月25日にスタートする連続ドラマ「埼玉のホスト」(TBS系、火曜深夜1時)で、主演を務める俳優の山本千尋さん。今作がTBSドラマ初主演となる山本さんに、役作りや座長としての思い、20代後半を迎えての心境や仕事への向き合い方の変化を聞いた。

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 ◇座長として気構えるも恵まれた撮影環境に感謝

 ドラマは、経営難のホストクラブ「エーイチ」から立て直しの依頼を受けた超優秀なコンサルタントの荒牧ゆりか(山本さん)が、自身がスカウトした逸材・岩崎キセキ(「Aぇ! group」福本大晴さん)らと「エーイチ」を立て直すため奮闘する姿を描く。

 今作への出演について、山本さんは「挑戦的な部分もある」と口にする。

 「今までありがたいことにアクション重視の役が多かった中、今回はある意味真逆で、どちらかというと文化系。役だけではなく、年下の男の子が多く座長として気にかける部分も今まであまり経験がなかったので、挑戦だと感じました」

 山本さんが演じる荒牧ゆりかは「人を信用するより数字を信じる」がモットーな冷徹な性格という役どころだ。

 「ゆりかは人間味はあるけど冷酷。言葉の一つ一つに間違いがなく、正論を言う人なので、説得力を持たすために関連する知識の勉強から始めました。スーツにピンヒールというビジュアルなので、立つ姿もバリキャリ(バリバリ働くキャリアウーマン)と思ってもらえるよう、細かい部分から意識しました」

 主演として座長を務める山本さんは「自分以上に周りの子たちはちゃんと楽しく現場にいるかなとか、そういうことを考える帰り道が多かった」と口にし、「主演だからこうしなければという意地はなく、みんなと一緒に成長できた現場だし、良いものを撮るために話し合える仲間に出会えてうれしい」と感謝する。

 座長を務めて「主演、座長って大変だなって。今までご一緒した座長の方々は本当にすごい。直近でいうとご一緒した小栗旬さんすごいなというのが第一声でした(笑い)」と充実感を口にする。

 「自分以外のことも考える課題をいただけたのが幸せ。周りの人が『今日の芝居がうまくいった』と喜ぶのを、自分事のような感覚で『うれしい』『良かった』と感じられたのは新鮮だし、これは座長の特権かなと。誰かが落ち込んでいると一緒に落ち込んじゃうので大変ですが、やりがいを感じられました」

 ◇「年齢にこだわったことはない」 自然体で積み重ねるキャリア

 今年8月に27歳になる山本さんに、20代のうちにやりたいことについて話を振ると「年齢にこだわったことがなく、10代や20代前半は早く年をとりたいと思っていました」と返ってきた。

 「唯一こだわったのは2年前にボクシングのライセンスを取得したとき。年齢制限があり、初めて気にしました(笑い)。これから30歳まで3年とかカウントダウンされちゃうところもあると思いますが、いつも通りのルーティンを繰り返していければと思っています。そして、毎日自分の信じたことをコツコツしていたらいいものが巡ってくるのではというスタンスでいます」

 そんな山本さんは今年で女優デビュー10年目を迎えたが、常に周囲への感謝を忘れない。

 「上京したときに『絶対この舞台に出る』と思っていた『劇団 新感線』さんに出演が決まったり、アクションじゃない何かを成し遂げてみたいと思った矢先、今作の役がと、周りの人が手を引っ張ってくれたような縁は本当にありがたいなと思います」

 キャリアを重ね、さらに今作で座長を務め「自分のことを思うより、周りの子がどれだけいい環境で芝居ができるかなどを考えている方が、自分はストレスを感じないと気づいた」と自身の変化に気づいたといい、今後に向けての自身の指針を次のように語った。

「人をサポートし育てていく役をいただき、自分もいつまでも後輩ではなく、次を継いでくれる子たちが現れたことを見据えなければと。長年やっている中国武術もそうですけど、『自分しか教えられないことや、つなげられないものは必ずある』と自分に暗示をかけるではないけど、そう思ってつなぎながら自分を磨いていける存在になりたい」(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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