らんまん:「寿恵ちゃん」「万ちゃん」 最後まで変わらない夫婦の形 “愛の物語”はどう着地する?

NHK連続テレビ小説「らんまん」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「らんまん」の一場面(C)NHK

 神木隆之介さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の放送は、最終週「スエコザサ」(9月25~29日)を残すのみとなった。長年連れ添った万太郎(神木さん)と寿恵子(浜辺美波さん)の夫婦の物語は、どのような結末を迎えるのか。これまでの2人の出会い、結婚後の歩みを振り返る。

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 ◇「ズギャン!」が生まれた万太郎と寿恵子の再会

 2人の出会いは、万太郎が初めて東京にやって来た時のこと。下戸の万太郎が酒を飲んでしまい、酔った拍子で木に登り、たまたま近くで屋台を出していた寿恵子が「下りてください!」と注意をする場面だった。今まで植物にしか興味を抱かなかった万太郎が「一目見ただけで、心が震えた」と、寿恵子の可愛さに一目ぼれした瞬間だった。

 植物学の道に進むことを決めた万太郎は、「峰屋」を離れ、竹雄(志尊淳さん)と共に上京する。和菓子屋「白梅堂」を訪ねると、お目当ての寿恵子とも再会。ここで登場したのが「ズギャン!」だ。心を射抜かれた様子を表す名言(?)は、神木さんのアドリブから生まれたといい、視聴者の心にも深く刻み込まれた。

 再会した2人が順調に結ばれるかと思いきや、そこに“ヤバ藤”こと実業家・高藤(伊礼彼方さん)が割って入ろうとする。高藤は寿恵子を妾(めかけ)にしようと働きかけるが、寿恵子は日に日に万太郎への思いをつのらせ、ついには、舞踏練習会の発足式後に長屋暮らしの万太郎の元へ。「槙野さん、私来ました」と抱きつき、晴れて2人の気持ちが通じ合うと、視聴者からも祝福の声が上がった。

 ◇最終週の副題は「スエコザサ」 史実では妻への感謝の思いを込めて命名

 結婚後、夫婦の時間よりも研究に打ち込む万太郎に、寿恵子が悶々(もんもん)とする日々もあったが、大事にはならず、その後、寿恵子は第1子となる長女・園子を出産。幸せな生活を送る。

 しかし、万太郎が東京大学を追放されると、園子がはしかで天国へと旅立つ……という不幸の連続が夫婦を襲う。それでも、寿恵子の母・まつ(牧瀬里穂さん)の助けもあって、再び前を向くことができた2人。寿恵子は次女の千歳を出産すると、その後も子宝に恵まれる。

 子供が誕生してからも「わしがすきながは寿恵ちゃんだけじゃ!」「私も万ちゃんだけ」と互いの気持ちを確かめ合うなど、変わらずラブラブな2人。「おじいちゃん」「おばあちゃん」になってからも、「寿恵ちゃん」「万ちゃん」と呼び名は変わらず、信頼関係は年を重ねてますます強固なものになっていったようにも思える。

 そして迎える最終週の副題は「スエコザサ」。「らんまん」のモデルとなった牧野富太郎が、亡き妻・壽衛への感謝の思いを込めて、新種の笹につけた名でもある。

 第93回(8月9日放送)で、万太郎が「大抵の草花は茎の先端から成長するけんど、笹は違う。グンと伸びて一気に背を伸ばす。それに笹は厳しい場所でもしっかり根を張る。飛び抜けて生きる力が強いがじゃ」と寿恵子を“笹(ささ)”と例えるシーンが登場。そのときに視聴者が予想した通りになった。

 万太郎と寿恵子はすでに老齢に差し掛かっているが、ドラマの最後の最後まで、仲良しで信頼し合う2人の姿が見られるのではないだろうか。万太郎と寿恵子の「愛の物語」がどのように着地するのか、残りわずかとなった放送を噛みしめながら楽しみたい。

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