ばけばけ:北川景子、堤真一は「浮世離れした人たち」を体現 第1希望でオファー「運が良かった」 制作陣が語る

連続テレビ小説「ばけばけ」の一場面 (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」の一場面 (C)NHK

 高石あかりさんがヒロインを務める2025年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(月~土曜午前8時ほか)。今作で制作統括を務める橋爪國臣さんと演出の村橋直樹さんが、トキ(高石さん)の親戚の名家、雨清水(うしみず)家の妻、タエを演じる北川景子さんと、その夫の傳(でん)を演じる堤真一さんについて、起用理由やその魅力、撮影エピソードなどについて語った。

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 ◇雨清水家は「ものすごい名家」 「説得力がある人」として2人しか「思いつかない」

 北川さん演じる雨清水タエは、松江でも随一の名家に生まれ、大勢の女中たちに囲まれながら何不自由なく育った。凛とした気品と厳しさを兼ね備え、親戚であるトキにも、礼儀作法やお茶など武家の娘としての教養を厳しく教える。

 堤さん演じる雨清水傅は、松江藩に名をはせる上級武士で文武両道のエリートだった。松江で知らない人はいないほどの人格者で、変わりゆく時代の中、多くの没落士族に手を差し伸べようと尽力する。親戚のトキを幼い頃から可愛がっている。いち早く散切り頭にして機織り工場を経営。トキは借金を返すためにその工場で働く。

 橋爪さんは、雨清水家について「松江の中でものすごい名家として描きたいと思っていました。夫婦はずっとこの地域のトップをやっていた家の象徴として描きたいなと思っていたので、それ相当に説得力がある人たちが出てくれないと、ちょっと浮世離れした人たちみたいな雰囲気は描けないなと思った」と話す。

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 そんなタエを演じるのは、「北川景子さんしか思いつかない」といい、「その北川さんを温かく包み込んでくれるような方というと、堤真一さんしかいない。そこでお声がけしたらオファーを受けていただけて、お二人に決まりました」と明かす。

 「今回はすごく恵まれていて、メインキャストに関しては、ほとんど私たちがお願いしたいという第1希望の方に受けていただけた。すごく運が良かったと思っていますし、それがドラマのクオリティーにつながってくれたらいいなと思っています」と笑顔で語る。

 ◇北川景子「どうする家康」での好演が決め手に

 一方、村橋さんは、2人について「時代の中で揺らいできた人たちを描きたいと思った中で、堤さんにしろ、北川さんにしろ僕らから見て、揺らがない人に見える。軸みたいなものを表向きを持っているように見える人たちですが、他人にはそう見えないけれど、心の中では揺らいでいるということを表現するのが、とても長けた2人」と表現。

 そこで、「2人がまとわれている空気感みたいなことも利用させていただいて、惑わないけど惑う人たち、明らかに自分がこうだと決めたことよりも大きなこと(時代の流れ)が世の中で動いてしまっている中で、揺らいでいる人たちを表現できる方。そんな方たちは数えるほどしかいない。そういう意味で、(それができる)お二人に演じていただけたことはありがたいなと思います」と感謝する。

 特に北川さんに関しては、「大河ドラマ『どうする家康』(2023年)でご一緒した時に、お市の方と淀君という二役を受けていただいた。本当にどうやっても揺るがない、絶対的な血の強さのようなものを持っているのに、ぐらぐら揺らいでいる人物を好演していただいたので、あのたたずまいをもう一度、この物語にもお借りしたいなと思って、お声がけした次第です」と明かす。

 ◇2人のシーン「大河ドラマみたいだね」

 撮影現場での2人の雰囲気は?

 村橋さんは、「堤さんも、北川さんも『なんか私たちがいるときだけ、大河ドラマみたいだね』みたいなことをおっしゃっていて(笑)。朝ドラらしくないシーンをずっと撮り続けているんですけど、そういったことが印象的でした」という。

 また、「台本を読まれて、コメディーだなと思って、現場にいらっしゃったと思うんですけど、ふじきみつ彦さんの(脚)本って、真剣にやらないと面白くないというか、コメディーだと思って笑わせようとすると、面白さが消えてしまうという不思議な台本なんです。そのあたりを北川さんは、岡部さんら周りの皆さんの芝居を見て、『意外と真面目にやるんですね』とすぐにつかんでいらっしゃって、私は『真面目だから面白いんですよ。真面目だからおかしいんです』と、ずっと言い続けたのを覚えています」と語った。

 第3週(10月13~17日)ではトキと雨清水家の関係が明らかになる。そのとき、タエ(北川さん)や傳(堤さん)の表情は……? トキの運命にますます目が離せない。

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