来春放送予定の2016年前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)が、西田征史さん原作・脚本の「とと姉ちゃん」に決定したことが26日、明らかになった。西田さんは、舞台・映画化もされた小説「小野寺の弟・小野寺の姉」の作者としても知られるイケメン脚本家で、同日、東京・渋谷の同局で行われた会見で、西田さんは「朝ドラを書くのが脚本家としての夢だった」と笑顔を見せた。
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西田さんは1975年5月22日生まれ、東京都出身。脚本家で演出家でもあり、主な作品にNHK「ママさんバレーでつかまえて」(作・演出)、NHKドラマ「実験刑事トトリ」シリーズ(脚本)、NHK Eテレ「シャキーン!」(構成)、ドラマ&映画「怪物くん」「妖怪人間ベム」(脚本)、オリジナルアニメ「TIGER&BUNNY」(シリーズ構成&脚本)など多数。小説「小野寺の弟・小野寺の姉」を発表し、後に自身の作演出で舞台化、映画化の際には脚本・監督を務めた。
西田さんとともに会見に出席した制作統括の落合将さんは「西田さんはエンターテインメント系の作家ですが、『小野寺の弟・小野寺の姉』に本質が描かれていると思った。日々の暮らしの中、キャラクターの泣き・笑いを拾っているところが朝ドラに合うのではないかと思ってお願いした。笑いの小ネタもうまいし、人間の優しさが脚本に出ていて、底力のすごさも含めて、決めた」と起用理由を語った。
94作目の朝ドラとなる「とと姉ちゃん」は“父親代わりの長女”ヒロイン、小橋常子(こはし・つねこ)が主人公。常子は静岡・遠州の自然豊かな繊維の町でおてんばに育ち、12歳で父を亡くしたことを境に家族の父代わりとなり、妹たちからは「とと姉ちゃん」と呼ばれるようになる。やがて一家は母方の祖母を頼って上京、東京・深川の材木問屋に間借りし、厳格だが愛情深い祖母の下で戦時下を生き抜く。終戦を迎えた常子は、「これからの世の中は女の人たちが幸せにならなきゃいけない」と決意。「女の人のためになる雑誌をつくろう」と家族で小さな出版社を興す。
戦後100万部近い販売部数で一世を風靡(ふうび)した生活総合誌「暮しの手帖」の大橋鎭子・花森安治をはじめとする創業者たちの軌跡がモチーフ。小さな小さな女ばかりの家族が、騒々しくけんかをし、助け合いながら、激動の戦前戦後の昭和を強く明るくたくましく生きる姿を描き、やがて自分たちの生活の中から1冊の雑誌をつくり、戦後の女性の暮らしの復興にあかりをともしていく希望の物語となる。
ヒロインはオーディションで決めるといい、西田さんは「おやじくささよりも、真っすぐさと猪突猛進ゆえの不器用さがある方がキャスティングされるとうれしい」とコメント。落合さんは「(ヒロインは)パワフルな方がいい。パワフルなおやじヒロインで押していきたい」と語っていた。
「とと姉ちゃん」の放送は2016年4月4日から10月1日まで全156回を予定。今秋、クランクインする予定。
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