女優の橋本愛さん主演の連続ドラマ「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系、水曜午後10時)が7月20日に始まった。俳優の中村蒼さんは、橋本さん扮(ふん)する謎の家庭教師・根津寅子(通称トラコ)の秘書・福田福多を演じている。「学校じゃ教えられない!」(2008年)以来、14年ぶりに脚本家の遊川和彦さんが手掛ける作品に出演している中村さんは「正直、うれしい気持ちは一瞬で、毎日緊張しながら撮影しています」と心境を語る。中村さんに、遊川さんや橋本さんとのエピソードや、今作の見どころなどを聞いた。
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今作は、「家政婦のミタ」(2011年)、「35歳の少女」(2020年)などの話題作を生み出した遊川さんとプロデューサーの大平太さんが再びタッグを組んだホームドラマ。それぞれ問題を抱えた三つの家庭をトラコが救う物語だ。
“遊川作品”への出演に、中村さんは「また一緒にお仕事させてもらえるのはうれしいです。14年前にご一緒して、また呼んでいただけるようにこれからも頑張ろうと思っていたので、それがかないました」と口にする一方で、「同時に緊張といいますか、より試されている感じ、当時からどれだけ自分が変われたか、というのを見られている気がします。正直、うれしい気持ちは一瞬で、現場では毎日緊張しながら撮影しています」と明かす。
中村さんは、「学校じゃ教えられない!」のオーディションで遊川さんと対面した時を振り返り、「僕は当時まだ高校2年生で、遊川さんがどれだけ偉大な方か、どれだけ日本のドラマ界に功績を残してきた方か、というのをあまり知りませんでした」と告白。撮影現場にも遊川さんの姿があったといい、「さらに緊張したのを覚えています」と語る。
遊川作品の魅力について、中村さんは「急に本質を突きつけられてハッとさせられるところが面白いです」と話す。
中村さんと橋本さんは、映画「バースデーカード」(吉田康弘監督、2016年)や舞台「班女」(2020年)などで共演している。
「橋本さんは監督とよくディスカッションされていて、自分の意思をしっかり発言して、作品をより良くしようとする姿勢をずっと見ていたので、またそういう方とご一緒できるのは良かったな、頼もしいなと思います。スタンスや信念がぶれないですし、こだわりを持つというのはすごく大変なことだと思うので、若い頃からずっと続けているのはすごいと思います。頭が下がるという感じです」
中村さん演じる福多は東大卒で、トラコの秘書。トラコとは養護施設で育った幼なじみで、ふらっと自分のマンションへ帰ってくるトラコのため、洗濯や食事といった身の回りの世話から仕事のサポートまでこなすという役どころだ。
中村さんは、福多の口調のさじ加減が難しいといい、「福多は気の良い、優しい人ですが、それを出しすぎると、東大卒という“インテリ感”、切れ者感が薄まってしまうので、気を付けながら演じています」と明かす。
今作の見どころを聞くと、中村さんは「トラコが三つの家庭に入って、それぞれの子供を教えつつも、家族を再生していく“家庭の教師”というのが面白いと思いました。トラコは、よくある『ただ単に良いことを教えて、実はいい先生でした』ではないです。そこからさらに先がありますので、ぜひ楽しみにしていてください」とアピールしていた。
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