青天を衝け:大河“3年ぶり”大政奉還はどうなる 鍵は「徳川家康」? 担当演出は“慶喜”草なぎ剛を絶賛

NHK大河ドラマ「青天を衝け」第23回の場面カット 草なぎ剛さん演じる徳川慶喜 (C)NHK
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NHK大河ドラマ「青天を衝け」第23回の場面カット 草なぎ剛さん演じる徳川慶喜 (C)NHK

 俳優の吉沢亮さん主演のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(総合、日曜午後8時ほか)第23回「篤太夫と最後の将軍」が7月18日に放送される。同回では、江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜(草なぎ剛さん)が政権を朝廷に返上する「大政奉還」が描かれるといい、予告編には「孤独な将軍の決断」「慶喜が政権を返上する」といった文字も映し出されている。大河ドラマでは2018年の9月9日放送の「西郷(せご)どん」第34回「将軍慶喜」以来、約3年ぶりに徳川幕府が終焉(えん)を迎えることになる。

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 ◇3年前は将軍・慶喜、在位わずか30分の「超スピード展開」

 「青天を衝け」第23回では、フランスからの借款は消滅したが、篤太夫(吉沢亮さん)が当面の資金繰りに奔走し、昭武(板垣李光人さん)は留学を続けていた。家庭教師のヴィレットの教えに従い、篤太夫たちは髷(まげ)を落とし、刀も外し、洋服を着ることに。同じころ、日本では西郷(博多華丸さん)が軍備を整え、岩倉(山内圭哉さん)と大久保(石丸幹二さん)が王政復古への動きを進めるが、慶喜は先手を打って政権を帝(みかど)に返上してしまう。一方、血洗島では篤太夫の養子になった平九郎(岡田健史さん)が、江戸に向かおうとしていた……と展開する。

 引き続き、篤太夫は遠いパリの地にとどまっていて、今回の「大政奉還」は主人公不在の日本での出来事として描かれる。

 3年前はどうだったのだろうか。「西郷どん」第34回は、第二次長州征伐が始まるも、戦の最中に家茂(勧修寺保都さん)が病で他界。慶喜(松田翔太さん)は、大方の予想を覆して第15代将軍の座に就く。間もなく孝明天皇(中村児太郎さん)が崩御。西郷(鈴木亮平さん)と大久保(永山瑛太さん)は、朝廷と幕府を引き離す好機と考え、公家の岩倉(笑福亭鶴瓶さん)と共に有力藩主たちで四侯会議を開き、慶喜をけん制しようとするが、うまくあしらわれてしまう。

 さらに慶喜は、フランスから軍事支援を取り付けるが、その裏に危険な取引があることを知った西郷らは、ついに武力討幕を決意。そこで慶喜は政権を朝廷に返上してしまう……。放送上は「将軍・慶喜」の誕生から「大政奉還」までわずか30分だったため、「展開早すぎ」「超スピード展開」「すげえ。大政奉還まで行ってしまった」「家茂の死からここまで1話で進むとは……」といった声が上がるなど、視聴者に驚きを与えた。

 ◇“慶喜”草なぎ剛に家康様が降臨する? 「大政奉還」シーンは…

 薩摩ら倒幕側視点の「西郷どん」と比べると、慶喜を“もう一人の主人公”と位置づけている「青天を衝け」では、よりじっくりと「大政奉還」が描かれることが予想される。

 その鍵となりそうなのが、“徳川幕府の祖”家康だ。「青天を衝け」では北大路欣也さんが演じ、“狂言回し”的な役割を担ってきた。公開中の第23回予告映像でも家康の姿を確認できる。

 同回の演出を担当した田中健二さんによると、今回の「大政奉還」は「感動するシーン」になっているといい、慶喜と家康とをリンクさせる“隠し技”があるとか。「これは史実なのですが、(大政奉還の)宣言の中では家康様に言及している部分があります。(慶喜役の)草なぎさんには『そういうところにも思いをはせてほしい』とオーダーしました」と明かしている。

 完成した「大政奉還」シーンについては、「草なぎさんがものすごくいい芝居をしてくれて……。撮影後、『感動しました』と伝えたら、草なぎさんが『言っているうちに、家康様が降りてきちゃって』『家康様に感情移入してしまい、こんな感じになりました』と言うんです。それを聞き『草なぎ剛、すごい!』と思いました」と草なぎさんの演技を絶賛。

 続けて「大政奉還の宣言は、とても難しい言葉で宣言しているのに、その言葉の中に慶喜としての草なぎさんの気持ちをきちんと出してくれている。それは、どこかで家康様とリンクしたからこその感情なんだろうな、と。ぜひ期待して楽しみにしていてください」とアピールした。

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