全領域異常解決室
第10話 その答えは、神のみぞ知る―悠久の時を超えた絆
12月18日(水)放送分
俳優の長谷川博己さんが主演を務める2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」。3年ぶりの戦国大河として1月19日にスタートすると、“緑茶毒殺”が話題となった斎藤道三(本木雅弘さん)、“ボンバーマン”こと松永久秀(吉田鋼太郎さん)を筆頭に、濃い口のキャラが次々と登場し、人気を集めている。そんな彼(女)らをキャッチコピー付きで紹介しているのがキャストビジュアルだ。制作されたのは過去に類を見ない24人分で、駅構内や空港などで目にした人もいるのではないだろうか。この異例のキャストビジュアル大量制作に込められた思いとは? 制作統括・落合将チーフプロデューサー(CP)に聞いた。
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「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマで、1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんのオリジナル脚本。若い頃、下克上の代名詞・美濃の斎藤道三を主君として勇猛果敢に戦場を駆け抜け、その教えを胸に、やがて織田信長のもとで、多くの群雄と天下をめぐって争う智将・明智光秀が主人公。ドラマでは謎めいた光秀の前半生に光を当て、戦国の英傑たちの運命も描く、エネルギッシュな群像劇となる。
ドラマは第6回まで放送され、これまでに、斎藤道三、松永久秀、三淵藤英(谷原章介さん)、細川藤孝(眞島秀和さん)、足利義輝(向井理さん)、織田信秀(高橋克典さん)、帰蝶(川口春奈さん)らが入れ替わり立ち替わり登場。望月東庵(堺正章さん)や駒(門脇麦さん)、菊丸(岡村隆史さん)といったオリジナルキャラもいいスパイスとなり、物語の中心に位置する躍動する若き光秀(長谷川さん)共々、歴史ファン、大河ファンに好評を博している。
まさに「群像劇」にふさわしい展開を見せる「麒麟がくる」だが、実はその象徴ともいえるのが、キャッチコピー付きのキャストビジュアルだ。
その数は実に24人分。戦国時代を舞台にしたアクションゲームのキャラクター紹介のようにも見えるし、そのまま選挙ポスターに使えそうな雰囲気もあるが……。
落合CPは、「『麒麟がくる』はある意味、一人一人みんなが主役というドラマ。大群像劇ですので、キャストビジュアル(ポスター)って通常、中心に主役がいて、周りにそのほかの主要人物が描かれているというのが多いのですが、今回はそれはちょっと違うなって思ったのが大きなきっかけ」と説明する。
その一方で「現実的にはそんなに刷れないし、貼れないというのはあった」と明かす落合CPが、目を付けたのがサイネージ。近年、駅構内や地下通路、空港などに出現し、広がりを見せているデジタルを駆使した広告媒体だ。「都市部では当たり前になってきていて、これならデータを作ればいいから、そこまで手間がかからないんじゃないか」という考えに至ったという。
それでも「しっかりとした台本と群像劇という基盤があってこそ」と強調すると、「それこそ今、“推しメン”って言葉があるじゃないですか。『乃木坂46』『ラブライブ!』とかもそうですし、サイネージも含めて、これは時代に即したアイデアで、初めての試みではあるんですけど、できるだけ拡散はさせたいですし、視聴者にはぜひ自分の推しメンを見つけてほしいですね」と語っていた。
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