オクラ~迷宮入り事件捜査~
第11話 バディ終焉!最後のねつ造
12月17日(火)放送分
俳優の長谷川博己さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)。当初の予定から2週遅れで1月19日に始まったドラマは、全44回を予定しており、放送は約3分の1を消化したところだ。ここまでの物語を振り返って、「前半のMVP」を一人挙げるとしたら、“美濃のマムシと恐れられた男”こと斎藤道三を演じる本木雅弘さんの他にいないだろう。1998年放送の「徳川慶喜」以来、22年ぶりの大河ドラマ出演となった「麒麟がくる」には初回から登場。ベテランらしい重厚な演技に加え、大人の色気や毒気、時にちゃめっ気さえものぞかせ、新たな道三像を作り上げてきた。
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4月26日に放送された第15回「道三、わが父に非(あら)ず」では、そんな本木さん扮(ふん)する道三と、伊藤英明さん演じる道三の嫡男・高政の対立が決定的に。道三といえば、高政と争った「長良川の戦い」で命を落としていて、歴史という動かしがたい事実を前にすれば、「道三ロス」へのカウントダウンがついに始まったと言えよう。
第15回はとにかく血なまぐさい回だった。尾張の織田家と美濃の斎藤家の“お家騒動”が描かれ、暗殺に次ぐ暗殺。まずは織田彦五郎(梅垣義明さん)の手の者によって尾張の守護・斯波義統が暗殺されると、その彦五郎も織田信光(木下ほうかさん)に碁の途中で刺し殺される。そして、今度は高政の見舞いに訪れた斎藤孫四郎(長谷川純さん)と喜平次(犬飼直紀さん)の兄弟が、高政の意を受けた者に斬られ命を落とした……。
この高政の蛮行に怒り狂ったのが孫四郎と喜平次の父である道三だ。道三は2人の息子の亡きがらから流れ出た血を顔に塗りつけると、「美濃を手に入れた褒美がこれか!」と叫び、早速、高政のところへ。そして、「わしの手を汚しおったな。出てきて、この血の匂いを嗅ぐがよい。高政! 許さんぞ!」と大声を上げる。
同回の演出を担当した一色隆司さんは、「ダークサイドに踏み入ってしまった高政により、どん底まで落とされ、もがき苦しんでいく道三。道三が叫ぶシーンは、高政への呪いと、息子を甘く見過ぎた自分自身への怒りを意識して演じていただきました。本木さんと何度も話し合いながら作り上げたシーンです」と振り返ったが、本木道三こん身の“狂気の叫び”に、視聴者は即反応。
SNSでは「ものすごい展開……」「本日の麒麟がくる、うわーーって何回叫んだか」「血なまぐさい回でした……」「暗殺暗殺で怖かった、息がちゃんとできてなかった感じする」といった声が上がったほか、「本木さんの演技だけで見る価値ある」「狂気の芝居。さすがやわ」「モックンの存在感がえげつなくてモックンのドラマになってる」「何かすごいものを見た。マムシさま退場しないでほしい」「道三ロスが心配です……」といった投稿も多かった。
ドラマの公式ホームページでは5月3日放送の第16回のあらすじや予告に加え、10分にわたる特報動画「さよなら、道三編」が公開されている。
第16回の副題は「大きな国」。高政を討つべく出陣する道三。国を二分する戦に、明智家はどちらにつくべきか光安(西村まさ彦さん)は思い悩む。一方、光秀(長谷川博己さん)は戦を回避すべく、尾張の信長(染谷将太さん)と帰蝶(川口春奈さん)の元へ向かった。
道三に肩入れして戦に手出しをしないこと、その代わりに織田との同盟を破棄せんとする高政を一命をかけて押しとどめると訴える光秀。しかし弟・孫四郎に手を貸さず死に追いやったとして光秀に対する不信感が拭えない帰蝶は、光秀を厳しく突き放す……という展開だ。
果たして、本木道三にとって最後の登場回になってしまうのか、それとも……。どうかお見逃しなく。
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