中島歩:「あんぱん」次郎とのぶ、少ない“夫婦シーン”でも関係に説得力を 細かい芝居で「二人の日常」表現

連続テレビ小説「あんぱん」で若松次郎を演じる中島歩さん(C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」で若松次郎を演じる中島歩さん(C)NHK

 今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、ヒロイン・のぶ(今田さん)の夫・若松次郎を演じている俳優の中島歩さん。誠実で穏やか、のぶを優しく包みこむ次郎を好演する中島さんは、次郎という役にどのように向き合ったのか、話を聞いた。

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 ◇「うさん臭く」ならないように意識

 「あんぱん」は、やなせたかしさん(1919~2013年)と暢さん(1918~1993年)夫婦がモデル。2人が出会い、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

 中島さん演じる次郎は、のぶの夫で、商船学校を卒業し、一等機関士として働いているという役どころ。父親はのぶの亡き父・結太郎(加瀬亮さん)の知人で、機関長。次郎本人も結太郎と船上で会ったことがある。カメラが趣味。

 中島さんはオファーを受けたときを振り返り、「ある程度どういう役かっていうのを聞いて、難しそうだなと思いました。ずっと見ている人は嵩(北村匠海さん)とのぶを見守っているわけですから、いきなりお見合いをして結婚までするんだから、嫌われちゃうだろうなって」と吐露する。

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 次郎の第一印象については「いいことしか言わないので、ともすると、うさん臭くなっちゃったり上滑りする」と感じたという。

 「そうならないように、『全てをコミュニケーションにする』ことを意識しました。このせりふをどういう思いで伝えるのか、事前にいろいろ想像していって、例えば落ち着かせるために言うのか、笑わせるために言うのか、元気づけるために言うのか。いろんな言い方が無限に存在しますから。そういう準備や、実際にその場で生まれた芝居に反応して演じることを大切にしました」

 ◇「心が通い合ったことを実感」したシーンとは?

 クランクインは、次郎がのぶとお見合いをするシーンと、レストランで改めて『結婚してください』と伝える場面だったといい、中島さんにとっても印象深いシーンになったという。

 「『花子とアン』からの付き合いの演出の柳川強さんから、これはやめようとか、ここは目を真っすぐ見て言おうなど、表情や感情の表現について指示をもらいました。そういう細かい演出が、次郎の誠実なキャラクターにつながっていったと思いますし、個人的に良い芝居になったなと。のぶも心を開いたような感じがして、二郎も心が動いたというか、心が通い合った実感があったので、それが見ている方にも伝わったらいいなと思いました」

 劇中で、次郎とのぶは3回会っただけで結婚するが、そんな2人の関係について「本当に心が通い会う瞬間がないと説得力がない」とも考えていたという。

 「航海に出ていることも多いので、夫婦のシーンが本当に少なくて、関係が積み上がっていく、距離が縮まっていく過程が見せられないんですよ。そこを表現するために、台本に書かれていることはもちろん、それ以外のところでの見せ方も考えました」

 撮影中にアイデアを膨らませていったことも多かったといい、「一番分かりやすく言うと、呼び名が“のぶさん”から“のぶ”に変わったこと。あとは、帰宅後にのぶに服を脱がせてもらうとか、表情や感情表現も、親しくなれば豊かになっていくじゃないですか。そういう細かい芝居で二人の日常があることを表現しようと心がけましたし、次郎の人間臭い部分や、のぶが素直でいられる関係を見せられるように演じました」と語っていた。

最新の人物相関図が公開 戦争終結で大きく変化も“残った名前” 新キャラは7人

連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(第14週~) (C)NHK
連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(第14週~) (C)NHK

 新たな人物相関図がドラマの公式サイトなどで公開された。6月30日に始まる第14週「幸福よ、どこにいる」からの相関図で、“戦争パート”の終結と共に大きく変化し、新たなキャラクター7人が加わった。

 新キャラの顔ぶれは、津田健次郎さん演じる東海林明、倉悠貴さん演じる岩清水信司、鳴海唯さん演じる小田琴子、野村万蔵さん演じる霧島了、古河耕史さん演じる鳥居出、嘉島陸さん演じる緑川達也、若林拓也さん演じる青木政三。いずれもヒロインののぶ(今田さん)が入社した高知新報の面々で、ソロショットも公開された。

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「あんぱん」登場人物紹介

「あんぱん」とは

 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

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