中島歩:「花子とアン」時代のトラウマが“糧”に だからこそ「あんぱん」で「こんなに頑張れた」

連続テレビ小説「あんぱん」で若松次郎を演じる中島歩さん(C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」で若松次郎を演じる中島歩さん(C)NHK

 今田美桜さんが主演を務める連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で、ヒロイン・のぶ(今田さん)の夫・若松次郎を演じている俳優の中島歩さん。2014年度前期の「花子とアン」以来の朝ドラ出演で、11年前を振り返り「(自分のお芝居に対して)評判もすごく悪かったですから、それがトラウマになっている」と明かす中島さんに話を聞いた。

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 ◇「花子とアン」では「全然うまくできなかった」

 「あんぱん」は、やなせたかしさん(1919~2013年)と暢さん(1918~1993年)夫婦がモデル。2人が出会い、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

 中島さん演じる次郎は、のぶの夫で、商船学校を卒業し、一等機関士として働いているという役どころ。中島さんは、出演のオファーを受けたときの心境について「すごくうれしかったです。やっぱり大舞台なので興奮しました」と喜びを口にする。

 一方、「花子とアン」では、伯爵家の令嬢・蓮子(仲間由紀恵さん)と恋に落ちる美青年・宮本龍一を演じて注目を集めたが、「駆け出しだったということもあって、全然うまくできなかった」と悔しさをにじませる。

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 「(自分のお芝居に対して)評判もすごく悪かったですから、それがトラウマになっているんだなっていうのを、今回『あんぱん』の準備をしながら思いましたね。朝ドラって15分の中でどんどん展開があって、せりふも現代口語とは隔たりがありますから、それをこなしていくのは難易度が高いし、これは駆け出しには難しいなって思いました」

 中島さんは当時を振り返り、「ここからバーンと売れるのかなと思ったけど、そんなに評判が良くなかったから仕事も来なくて。でも幸いなことに、良い演出家や監督に出会えて、そこで経験をたくさん積ませてもらって、舞台や映画で育ててもらえて。今はまたこうやって大舞台に出られたことに本当に感謝だなと。これからも謙虚に取り組んでいかなきゃいけないなと思います」と吐露した。

 ◇SNSの反響には「アンビバレンスな気持ち」

 俳優としてキャリアを積んだ今でも、当時のトラウマは消えないといい、「トラウマはずっと残ると思いますよ。ネットの声にこんなに傷ついちゃうんだと思いました」と明かす。

 「だからSNSの反響を読むのも怖いんです。いつも新宿武蔵野館にしかいないから、SNSのトレンドに入ったとか、怖いなぁと思います。そんなにたくさんの人が見てるんだって、影響力の大きさに畏怖しています。SNSをやっている人は全体から見ればほんの一部だと思いますが、そこでの批判や好評に、懐疑的でありながらもすごく影響されてしまうんです。最近はSNSの反響がドラマのストーリーを変えることもありますから」

 SNSでは、中島さん演じる次郎の演技に好意的な声が多く上がっているが、「うれしいし怖いし、そういうアンビバレンスな気持ち」と笑う。

 「本当に心が震えていないと、心を通わせ合わないと通用しない脚本だったので、事前にいろいろと準備をしたり、現場でしっかり今田さんと向き合って芝居したり、できる限り頑張ったので、それが通じたのであれば良かったです。頑張ろうと思っていたんですけど思っていた以上に頑張れたから。本当にこの脚本に愛着があったし、(脚本の)中園ミホさんの言葉に魂を宿らさねばという思いもあったので。『花子とアン』のトラウマがあったからこそ、こんなに頑張れたんだと思います」

 中島さんは、改めて当時の挫折を振り返り、「あそこで簡単に認められていたら、こんなに勉強や訓練をしなかっただろうと思いますね。今、すごく芝居をすることが楽しいから。いろいろ自分の想像やアイデアを表現できるようになってすごく楽しいので、そういう経験があったからこそ、今があるのかなって思います」としみじみ語っていた。

最新の人物相関図が公開 戦争終結で大きく変化も“残った名前” 新キャラは7人

連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(第14週~) (C)NHK
連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(第14週~) (C)NHK

 新たな人物相関図がドラマの公式サイトなどで公開された。6月30日に始まる第14週「幸福よ、どこにいる」からの相関図で、“戦争パート”の終結と共に大きく変化し、新たなキャラクター7人が加わった。

 新キャラの顔ぶれは、津田健次郎さん演じる東海林明、倉悠貴さん演じる岩清水信司、鳴海唯さん演じる小田琴子、野村万蔵さん演じる霧島了、古河耕史さん演じる鳥居出、嘉島陸さん演じる緑川達也、若林拓也さん演じる青木政三。いずれもヒロインののぶ(今田さん)が入社した高知新報の面々で、ソロショットも公開された。

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「あんぱん」登場人物紹介

「あんぱん」とは

 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

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