DCコミックスの人気キャラクターが大暴れするアクション娯楽作「スーサイド・スクワッド」(デビッド・エアー監督)が10日から公開される。ウィル・スミスさんやマーゴット・ロビーさんらが人気キャラに扮(ふん)し、極悪人退治に奮闘する。だが、従来のヒーローものとは少し様相が異なる。なぜなら“正義の味方”全員が、刑務所に収監中の悪党だからだ。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
米国政府の諜報担当高官、アマンダ・ウォラー(ビオラ・デイビスさん)は、はびこる悪を駆逐するため、特殊部隊“スーサイド・スクワッド(自殺部隊)”を結成する。リック・フラッグ大佐(ジョエル・キナマンさん)のもとに集められたのは、ジョーカー(ジャレッド・レトさん)と恋に落ちたばかりに犯罪者専門の精神科医からエキセントリックな悪党に成り下がったハーレイ・クイン(ロビーさん)や、すご腕のスナイパー、デッドショット(スミスさん)、殺人ブーメランを使いこなす荒くれ者、キャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニーさん)ら刑務所に収監されている極悪人たち。彼らは、任務に失敗したら脳に埋め込まれたチップが爆発するという状況で、悪党退治に駆り出されていく……というストーリー。
悪を悪で制するという異色の設定。クールかつポップなビジュアル、キャラが立ち過ぎの奇抜なスクワッドのメンバーなどなど、驚きと刺激がそこかしこに充満している。スミスさんが、随分シェイプアップした肉体で冷酷な殺し屋(しかし娘にはめっぽう弱い)に徹する姿は新鮮だし、可愛さと凶暴性を兼ね備えた女ピエロを、喜々として演じるロビーさんのイカレっぷりは、新鮮を通り越して衝撃的ですらある。とりわけ、かつてヒース・レジャーさんが演じ鮮烈な印象を残したジョーカーを、それとは似て非なるものとして存在させたレトさんの怪演ぶりは特筆に値する。
ほかにも、日本と結びつきが深い福原かれんさんのサムライガールぶりに心が躍り、ここではいえないが“あのキャラクター”の登場も心憎い限り。ただ、主人公がアンチヒーローというのは、すでにマーベルの「デッドプール」(2016年)で体験済み。あちらはR15指定で、こちらは誰でも見られるG区分。その分、ソフトな仕上がりになっている。10日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
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