俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第31回「逃げよ信長」が11月8日に放送された。同回では、有名な信長(染谷将太さん)の撤退戦「金ケ崎の退き口」を背景に、さまざまな人間模様が描かれたが、光秀(長谷川さん)に殿(しんがり)を志願する藤吉郎(佐々木蔵之介さん)の魂の訴えも視聴者の関心を誘った。
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狭い地べたをはい回って一生を終える飛べない甲虫(ヒメマイマイカブリ)に自身を重ね、自らの出自について話す藤吉郎。年の離れた妹を見殺しにした過去を告白し、あさましい自分に生きる値打ちはあるのか自問しつつ、それでも「わしにも羽はある。わしは飛ばぬ虫で終わりたくない」と訴え、ついには「死んで名が残るなら、藤吉郎、本望でござる」と自分が殿を務めることを光秀に承諾させた……
SNSでは同シーンに対して、「佐々木蔵之介さんの演技見入ってしまう」「佐々木蔵之介さんの芝居がめちゃくちゃカッコ良くて震えて泣いてる」「佐々木蔵之介の魂の演技に震えたよ」「佐々木蔵之介の演技力、すごいな。いまさらだけど言わして。少し涙出たわ」「鼻水まで垂らして佐々木蔵之介熱演すぎる」といった感想が並んだ。
同回の演出担当・一色隆司さんは「このシーンで佐々木蔵之介さんとは、事前にどういう感情の流れにするかを相談させていただきました。印象に残っているのは、佐々木蔵之介さんの演技プラン通りにシーンが進んで行くのですが、感情的になった時に鼻水が流れてしまいます。しかし、秀吉のキャラクターを考えると、これもとても秀吉らしい……と、途中で止めることはしませんでした。そして、佐々木さんも芝居をやめることなく演じ続けてくださいました」と振り返る。
さらに一色さんは「それによって秀吉の思いの強さが表現でき、素晴らしいシーンとなったと思います」と手応えを明かすと、「秀吉の思いが強ければ強いほど、光秀の思いも研ぎ澄まされていき、光秀の武将としての決意を感じることができます。また、それを見ることによって、秀吉はより思いを強く持って光秀に訴えかける。このシーンは、文字通り、お互いの思いをぶつけ合うことによってどんどん2人の絆が深くなっていく芝居が構築できたのです」と印象を語った。
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