俳優の吉沢亮さん主演の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に徳川慶喜役で出演している草なぎ剛さん。慶喜は、江戸幕府の第十五代将軍であると同時に、日本の歴史上の“最後の将軍”として知られる人物で、後に吉沢さん演じる渋沢栄一の主君となる存在だ。慶喜を演じるにあたり、「いつもいろいろな判断を迫られるシーンが多いのですが、その中でもドンと構えていかないと」と心がけている草なぎさんに話を聞いた。
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「青天を衝け」は、“日本資本主義の父”と称される渋沢栄一が主人公で、「緻密な計算」と「人への誠意」を武器に、近代日本のあるべき姿を追い続けた渋沢の生きざまを描く。
草なぎさんは、まさに歴史の転換期の中で大決断を迫られる“最後の将軍”を演じるにあたり、しっかりと「地に足を着けている」ことを意識しているという。「いろいろな政(まつりごと)というか、政治であたふたするところがあって、いつもいろいろな判断を迫られるシーンが多いんですけど、その中でも『ドンと構えていかないと!』という心持ちです」と語る。
さらに「しっかりとした心持ちで、いろいろな意味で薄っぺらいものにならないように頑張っています」とも明かす草なぎさん。大河ドラマのやりがいは「スケールの大きさ」にあるという草なぎさんは、「馬を本当にスタジオに入れたりするので、とにかくスケールが大きいので、その中で自分が負けないように。ただ馬に乗せられているのでも、ただ衣装を着せられているのでもなく」ということを念頭に置いているという。
慶喜役のオファーを受けたときの心境として、「“最後の将軍”ってどんなものなのかなと思って。いろいろな将軍がいるけれど、(慶喜が)最後どんなふうに“終わらせる”のかな」と疑問に思ったと明かす草なぎさん。「物事の始まりって、ドキドキワクワクしたりするんですけど、最後に“終わらせる”ってどんな感じなのだろう。そこに興味を持ちました」と話した。
「歴史に詳しい方は分かっているように、どうしたって慶喜は将軍になるわけで、先のことは、今現在生きている僕らは分かっている」と語り、「『もしかしたら慶喜、本当は将軍にならないんじゃないかな?』くらいの、力が抜けた感じの役どころとして今回は狙っていこうかなと思うし、(その方が)面白い役どころ(になるの)ではないかなと思っています」と明かした。
さらに、父・斉昭(竹中直人さん)との対比を意識したという草なぎさん。「気をてらわないほうが面白いんじゃないかと。斉昭なんかは、ストレートに感情をぶつけたりするので、対極にいたほうがいいんじゃないかなと。ふわふわしている感じで」と慶喜のキャラクター作りの裏側も語った。
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