柿澤勇人:「鎌倉殿の13人」三谷幸喜の“新しい実朝像”に重圧も “苦悩”は「普遍的なこと」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第39回の一場面 苦悩する実朝(柿澤勇人さん)を受け止める千世(加藤小夏さん)(C)NHK
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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第39回の一場面 苦悩する実朝(柿澤勇人さん)を受け止める千世(加藤小夏さん)(C)NHK

 NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)の第39回「穏やかな一日」が10月16日に放送され、三代目鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人さん)がこれまで隠してきた“苦悩”が明らかになった。脚本の三谷幸喜さんの斬新ともいえる実朝像に、演じる柿澤さんはどのような思いで撮影に臨んだのか? 話を聞いた。

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 ◇正室・千世にだけ明かした苦悩

 第39回では、正室・千世(加藤小夏さん)との間に世継ぎができない実朝のことを周囲は心配し、乳母の実衣(宮澤エマさん)は側室を勧めて……というストーリーが展開した。千世自身、世継ぎができないことを悩んでおり、実朝と二人きりになった際に「私に、そのお役目がかなわぬのならぜひ側室を」と相談するが、実朝はやんわり拒否し、「あなたが嫌いなわけではないのだ、ウソではない」と話す。千世は「では、どうして私からお逃げになるのですか。私の何が気に入らないのですか」と訴えた。

 すると、実朝は何かを決意した表情で千世の手を握り、声を震わせながら「初めて……人に打ち明ける。私には世継ぎを作ることができないのだ。あなたのせいではない。私は……どうしても、そういう気持ちに……なれない。もっと早く言うべきだった。すまなく思うから、一緒にもいづらかった」と告白した。

 千世は涙を浮かべ、「ずっとお一人で悩んでいらしゃったのですね、話してくださり、うれしゅうございました」と実朝を抱き締める。実朝が「私には応えてやることができない」というと、「それでも構いませぬ」と実朝を離さなかった。

 同回では実朝が北条泰時(坂口健太郎さん)に恋歌を送る描写もあり、その秘めた思いが明らかになった。実朝のパーソナリティーに関しては、第35回「苦い盃(さかずき)」(9月11日放送)で歩き巫女(みこ、大竹しのぶさん)から「お前一人の悩みではない。はるか昔から同じことで悩んできた者がいることを忘れるな。この先も、お前と同じことで悩む者がいることを忘れるな」とアドバイスを送られるなど、これまでも“伏線”がちりばめられていた。

 ◇三谷さんが「新しい実朝像を描きたい」

 「大竹さん演じる歩き巫女には一発で見抜かれていました」と話す柿澤さん。大河ドラマの歴史の中でも斬新な設定だと思うが、実朝を演じるにあたり、大きなプレッシャーもあったという。

 「三谷さんが実朝に対してすごく思い入れがあり、『世間ではあまり認知されていない、新しい実朝像を描きたい』とおっしゃっていたので、すごくプレッシャーを感じました。たくさんの資料を読み、台本もたくさん読み込んで撮影に臨みました」

 “苦悩”を抱える実朝を演じるにあたり、意識したことはあったのだろうか。「その部分に関しては、特に意識はしていません」という。「その悩みは現代でももちろんそうですし、国も時代も関係なくある普遍的なことだと思います。特に意識はせず、受け止めました」と話していた。

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