妻夫木聡:「あんぱん」家族を失った八木の心情を代弁 「生きていることが全て」戦争シーンで感じた“思い”も

連続テレビ小説「あんぱん」で八木信之介を演じる妻夫木聡さん(C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」で八木信之介を演じる妻夫木聡さん(C)NHK

 NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、「九州コットンセンター」を設立した八木信之介を演じている妻夫木聡さん。8月19日放送の第102回では、八木が戦争で家族を亡くした過去が明かされた。妻夫木さんが、この場面での八木の心情や、過酷な描写が話題となった戦争シーンの撮影を振り返った。

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 ◇戦争シーンで感じたこと

 「あんぱん」は、やなせたかしさん(1919~2013年)と暢さん(1918~1993年)夫婦がモデル。2人が出会い、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

 妻夫木さん演じる八木は戦時中、嵩(北村匠海さん)が所属していた小倉連隊の上等兵。軍隊になじめない嵩を気にかけ、折にふれ助け舟を出していた。戦後、闇市で闇酒を売りながら、戦災孤児たちに食べ物を与えたり本を読んであげたりしていたところで嵩と再会。その後、「九州コットンセンター」を設立し、のぶ(今田さん)と嵩の人生に大きな影響を与えていく。

 八木は、第50回(6月6日放送)で初登場し、過酷な戦場を嵩と共にした“戦友”。妻夫木さんは「『弱い者が戦場で生き残るには、ひきょう者になることだ』という八木のセリフもありましたが、やっぱり生きていることが全てなんじゃないかと思うんです」と語る。

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 「どんなに無様でもいい。生きていれば報われると。嵩から似顔絵をもらったシーンでは、戦争に翻弄(ほんろう)されて自分の中で失いそうになっていた清らかな部分を、その瞬間、嵩に引き戻してもらった感覚がありました。八木にとって嵩は、昔の自分を映す鏡のような存在だったんじゃないかな。だから、彼を放っておけなかった。嵩に向けて言っていた言葉は全て、自分に向けて言っていたような気がします」

 ◇明らかになった八木の過去

 第102回では、これまで描かれなかった八木の過去が明らかに。八木は蘭子(河合優実さん)に、「出征する時、妻と子には絶対に帰ると約束した。やっとの思いで復員してきたら、2人は福岡の空襲で死んでいた。何のために戦地で生き延びたのか……分からなかったよ」と自身の過去を告白した。

 この場面を振り返り、妻夫木さんは「もともと演出の方から、そういった背景は聞いていました」と明かす。

 「八木は、大事な家族を失ったからこそ、目の前にある命の尊さを感じていて。少しでも支えになれるのであれば、自分はいくらでも犠牲になろう。そんな思いで、ガード下の戦災孤児たちを助けていたのだと思います」と心情を代弁。

 「さまざまな経験を経て、新たに会社も設立しましたし、今後八木がどういったものを人々に届けていくのか。僕も楽しみにしています」

最終週の人物相関図が公開! 予告にはいたけど“名前なし”? 新キャラは1人 登美子&千代子も“完走”

連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(最終週~) (C)NHK
連続テレビ小説「あんぱん」の最新の人物相関図(最終週~) (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)の新たな人物相関図が、ドラマの公式サイトなどで公開された。

 9月22日に始まる最終週(第26週)「愛と勇気だけが友達さ」の相関図で、新キャラクターとして、TVプロデューサーの武山恵三(前原滉さん)の登場が予告された。

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「あんぱん」登場人物紹介

「あんぱん」とは

 「あんぱん」は、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん(1919年~2013年)と、暢さん(1918年~1993年)夫婦がモデル。何者でもなかった二人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。

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