ザ・ロイヤルファミリー
Episode6「有馬記念」
11月16日(日)放送分
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、松江中学の英語教師・錦織友一を演じている吉沢亮さん。演じる役や印象に残ったシーン、今後の展開などについて語った。
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「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとその夫・八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻をモデルに、「怪談」を愛するヒロインが、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく姿を描く。ヒロインのトキを高石さん、のちにトキの夫となるヘブンをトミー・バストウさんが演じている。
「なつぞら」以来6年ぶりの朝ドラ出演となる吉沢さんは、「とてもうれしいです。前回の撮影は東京、今回は大阪なのでまた違った空気感がありますが、朝ドラ特有のあたたかさは同じ。毎日楽しくやらせていただいています」と語る。
「ただ、錦織はヘブン先生と松江の人たちの懸け橋になる役なので、英語のセリフがすごく多くて。僕は英語が一切しゃべれない人間だから、クランクインの4カ月ぐらい前から英会話のレッスンに通って必死に英語を勉強しました。ひたすら英語をしゃべっている役ですが、あまり厳しい目で見ないでください(笑)」
演じる錦織は、松江随一の秀才。「大盤石(だいばんじゃく)」の異名を持つ。松江中学で英語教師を務め、外国人教師として松江にやってきたヘブンをサポートする。トキとも奇妙な縁で知り合い、深く関わっていく……という役どころ。
そんな錦織について「『松江の神童』『大盤石』と呼ばれる秀才ですが、不器用で生き方がうまいわけではない、その人間臭さも錦織の面白さです」と説明する。
「彼のモデルである西田千太郎さんが暮らしていた松江のお家に行って、勉強されていたという部屋を見学させてもらったのですが、その暗くて狭い空間に彼の根本的な部分をうっすら見た気がしました。壁に新聞か何かを貼っていた跡がついていて、ドラマ中の下宿先『荻野屋』のような雰囲気なんです。本当に勉強熱心な方だったんでしょうね。ある種学問にすがっているような、学問への執念みたいなものを感じました」
吉沢さんは「錦織は日本を変えたいという強い志も持っているので、ヘブン先生の通訳になった時はワクワクしていたと思います」と心情を分析する。
「先生との出会いが自分の人生を変えてくれるんじゃないかと希望を持って接していたでしょうね。振り回されていく中でただの通訳から、より深いプライベート的な部分でもつながっていくようになり、錦織の中でヘブン先生の存在が日に日に大きくなっていくんだろうと感じています」
錦織を演じるうちに、役に対する印象も変化したようで、「東京にいる時は結構ドシンッと構えていたし、彼の言葉がトキを導いていくような雰囲気もあったのでかっこいい役だと思っていたんですけど、松江では振り回されてトキに助けてもらってばかり。『すいません!』『お世話になってます!』みたいな空気感でやらせてもらっています。思っていたよりコメディタッチのシーンが多いので、撮影していて楽しいです」と語った。
◇高石あかり&トミー・バストウの印象は?
11月4日放送の第27回では、錦織がトキに女中になってくれないかと頼むシーンが描かれた。この場面について、吉沢さんは「なかなか無理なお願いをしていますから、錦織からしたらものすごく申し訳ない後ろめたさみたいなものがあったと思います」と振り返る。
「それでもトキが持っている明るさや、ただ明るいだけではなく肝が座っている様子を信頼してお願いしたんじゃないかなと、演じていて感じました。銀二郎(寛一郎さん)に会いに一人で東京まで来るわけですから、たくましい人だなという印象は、たぶん最初から持っていたはずです」
今後放送されるシーンで印象に残っているのは、「錦織がスキップに苦戦するシーン」だという。
「わざと下手にスキップするのがめちゃくちゃ難しかったです。やりすぎに見えない程度の面白さがあるラインを狙うのが難しくて苦労しましたが、徹底的に膝を曲げないというコツを発見しました」
トキ役の高石さんの印象については、「すばらしいです。反応が素すぎて、たまにお芝居なのか素なのかわからなくなる瞬間があるんです。作品の世界観に入り込める女優さんだなと思います。トキとのシーンはカットがかからずにアドリブになることもありますが、テンポ感が合うし撮影がとても楽しいです」と話す。
さらに「トミーさんもすごくすてきな方」と明かし、「英語の発音を『今の大丈夫だった?』と聞くと『すばらしい!』と言ってくれるのがうれしいです。僕としては自分の英語の特訓のためにも現場ではトミーさんと英語で会話しようと思っていたんですけど、あまりにも彼の日本語がうまいので甘えて日本語でしゃべってしまいます」と笑った。
台本を読んで、「『みんな悩みや苦しいことを抱えているけど、それでも一生懸命生きてるよね』と厚かましくない、ちゃんと笑えるぐらいの空気感でじんわり伝わってくる感じがすてきだなと思いました」という感想を持った吉沢さん。
「それぞれ大変なことがある人生を歩んでいるわけですけど、ふじき(みつ彦)さんの脚本はその中の本当にささいなことをピックアップして笑いに変えていくんです。そこに面白さとたくましさを感じましたし、登場人物が結構重たい何かしらを抱えつつも楽しそうに笑っている強さや生命力みたいなものがこの作品の魅力なんじゃないかと思います」
最後に、視聴者に向けて「錦織自身も何かを抱えている中でおトキさんやヘブン先生と出会い、お互いに影響を与え合いながら人として成長していきますので見守っていただけたらうれしいです。今後描かれていくであろう彼の生い立ちや過去も楽しみになさっていてください」と呼びかけた。
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