ばけばけ:北川景子演じるタエ様が衝撃的な姿に! やはり視聴者はこの場面で最もクギヅケになったのか? 第28回の注目度

連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」のロゴ (C)NHK

 高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第28回(11月5日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者が画面にクギヅケになっていた割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、最高値は午前8時13 分の70.5%だった。

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 「ばけばけ」は113作目の朝ドラ。ヒロインの松野トキと、その夫となるレフカダ・ヘブンのモデルは、松江の没落士族の娘、小泉セツと、「怪談」などの著作で知られるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)だ。ドラマの中では大胆に再構成し、登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描くという。

 ◇なみはなぜ断られた? 答えの場面で注目度が小さな“山”

 第28回は、主人の平太(生瀬勝久さん)とのケンカから、花田旅館を出て家を借りて暮らすことを決めたヘブン(トミー・バストウさん)のため、錦織(吉沢亮さん)はその世話をする女中探しに奔走。錦織は、ヘブンのある“注文”を受け、トキ(高石さん)に女中の仕事を依頼するが、キッパリ断られる。その数日後、トキは街中で思いもがけない人物の衝撃の姿を目にする。

 テレビ画面の前にいる人のうち、画面を実際に注視している人の割合を調べた注目度は、序盤から中盤にかけて、やや低迷していたが、終盤の午前8時13分と14分に一気に“山”を作った。

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 前日の第27回は、ヘブンが遊女のなみ(さとうほなみさん)に会い、女中はなみに決まったかのような雰囲気のシーンの後、錦織が松野家を訪ねる場面に変わり、「ヘブン先生の……女中になってほしい」とトキに頼む場面で終わった。視聴者の「??」が最高潮になったところでドラマは終わっていた。

 序盤はその回答のような場面で、注目度は小さな“山”を作る。

 午前8時1分(67.7%)は錦織が、ヘブンとなみが会った時のことを回想するシーン。なみの話を聞いたヘブンは、なみの手を握り「おなみさん、いい……友達……でいましょう」と返事する。なみも、錦織もほぼ同時に「えっ」とリアクションするのがちょっと笑ってしまう。錦織によると、ヘブンは「士族の娘がいい」と言っているらしく、農家の娘のなみは断られたというわけだ。

 続く午前8時3分(65.6%)は、そんな経緯を聞いたトキがきっぱり断る場面。そんなに高額の報酬が支払われるということは、洋妾(=ラシャメン)になるということですねと、トキは錦織に確認し、「バカにせんでごしなさい」とその誘いをキッパリと断る。

 中盤は、女中の依頼を断ったものの、ヘブンの態度などにモヤモヤが続くトキの様子が丁寧に描かれる。たとえば、幼なじみのさわ(円井わんさん)に、女中の給金が20円だと伝え、さわが「私、やっとこさ教師になって4円だよ」と答える場面。「私、5人分ってすごく嫌だ」というさわに、トキが「おさわが5人もいたらね……」と冗談で返す会話は楽しいが、トキはやはり20円にどこかひっかかる部分はあるのだろう。複雑な胸の内が伝わってくる、さわとの会話だ。視聴者は、トキの今後の対応がずっと気にかかっていたのだろう。中盤は66%前後の注目度が安定して続くグラフとなった。

 ◇最高値は午前8時13分の70.5% タエさまの物乞い姿を目撃!

 そして、終盤、思いがけない人物を見かけるのが午前8時13分。この日の最高値70.5%まで急上昇し、続く14分も69.8%を記録した。

 街中を歩いていたトキが目にしたのは、松江を離れたはずのタエ(北川景子さん)が、ボロボロの着物で地べたに座り、“物乞い”となった姿。松江でも随一の名家の生まれで、お姫様として何不自由なく育ったタエは、施しを受けた相手に頭を下げることができない。

 礼を求める男に「なにゆえ」とタエが反論するあたりからが午前8時14分。そんなタエの態度に腹を立てた男は金を取り返し、タエの頰をたたいた。衝撃の光景を目の当たりにしたトキの表情でドラマは終わる。

 「ジゴク」はヘブンの口癖のような言葉で、ドラマの中で何度も登場するが、ラストの場面はまさしく、今週のタイトル「ドコ、モ、ジゴク。」通りの情景。笑いの中にも、しっかりと当時の社会状況が描かれるのが「ばけばけ」の特徴だ。タエ様の姿を見たトキは、これからどういう選択をするのだろうか?

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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