ばけばけ:「将来的には愛の言葉になってほしい」トキとヘブンの“怪談シーン”に込めた思い 「あえて練習はさせない」撮影の裏側も

連続テレビ小説「ばけばけ」第58回の一場面(C)NHK
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連続テレビ小説「ばけばけ」第58回の一場面(C)NHK

 高石あかりさんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(月~土曜午前8時ほか)。第58回(12月17日放送)では、ついにトキ(高石さん)がヘブン(トミー・バストウさん)に怪談を語り聞かせる展開に。トキとヘブンの“怪談シーン”の裏側について、本作の制作統括を務める橋爪國臣さんに聞いた。

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 ◇怪談は「コミュニケーションツール」

 第58回では、トキはヘブンに怪談「鳥取の布団」を語り聞かせた。ヘブンは日本語が完全には理解できないものの、トキの語り口に引き込まれ、「ハンブン、モット、ワカラナイ。デモ、オモシロイ」と大喜び。「モウイッペン、ネガイマス」と、トキに怪談を語ってほしいと繰り返しせがんだ。怪談に魅了された“同士”を見つけたトキは、「聞いていただけるのがうれしくて」と笑顔を見せ、思わずスキップをしながら帰るのだった。

 この場面での高石さんの語り口には思わず引き込まれるが、どのくらい怪談の練習を重ねたのだろうか。

 橋爪さんは「講談師の四代目玉田玉秀斎先生に怪談指導として入っていただきましたが、実は現場には来ていただいていないんです」と明かす。

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 「玉秀斎先生には、怪談を作った時に台本を見ていただいたり、台本で書かれていない、その前後に必要なところを加えていただいたりしています。一回だけ怪談の語りの指導で来ていただいたのですが、トキが語るのは素人の怪談。玉秀斎先生のように本物の講談になってしまうと、逆に情緒がなくなってしまう。『本物の芸というのはこういうものですよ』というのを一回だけ高石さんの前で見せてもらって、高石さんには誰かにしゃべるようにしてくださいとお伝えしました。高石さんにはあえて練習はさせなかったんです」

 上手に語ることよりも、トキとしてヘブンにどう伝えたいか。そこを第一に考えてほしいと伝え、高石さんにはあの場面に臨んでもらったという。

 「怪談を芸としてやっているというよりは、ヘブンとのコミュニケーションツール。まだまだここの段階では2人の関係は愛まではいっていませんが、将来的には怪談が愛の言葉になってほしいと思いました。日本語が達者ではない相手にどうしゃべったら心が通じるのか。怖がらせようというよりは、相手に分かってもらう、気持ちの入った怪談を話してほしいと高石さんに話しました」

 ◇ロウソクにもこだわりが?

 怪談を語り終えたトキがロウソクを吹き消す演出も印象的だが、「世間にああいう怪談の儀式があるわけでもないし、2人のモデルになった小泉セツさんと八雲さんが実際にそうしていたかどうかは分かりません」と話す。

 「ですから、史実ではなくドラマオリジナルの演出。怪談を語る時のモードというか、言葉がヘブンに100パーセント伝わらない中で、どうやって雰囲気で伝えるか。トキなりの工夫の一つとして見せられたらと思いました」

 使用しているロウソクにもこだわりがあるといい、「炎のちょうど良いゆらめきを見つけるため、いろんな種類のロウソクを試した中からベストのものを選びました。撮影時の風の量も何度もテストをして、あのシーンにたどり着きました」と振り返る。

 「普通のロウソクだと炎がかなり揺らめくので、画面がチカチカしてすごく見にくくなってしまう。逆にLEDライトでは、全くゆらめきがなくて面白くない。顔に炎のゆらめく影がかかって、2人だけの集中した空気にはなるけれど、チカチカしすぎない。そのちょうどいい塩梅(あんばい)にこだわっています。劇中では、風の強さによって、ロウソクの形をしたオイルランプなども使い分けています」

 ついにトキがヘブンに怪談を語り、心の距離がグッと近づいた。今後、2人が夫婦になるまでに、どのような展開が待ち受けているのか。2人の恋の行方を見守りたい。

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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の人物紹介図 (C)NHK
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