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吉高由里子:目で見て分かる成長は「書」 いまや「右手で筆」が当たり前に 「光る君へ」でついに「源氏物語」執筆へ「集大成が始まる」

大河ドラマ「光る君へ」で主人公のまひろ(紫式部)を演じる吉高由里子さん (C)NHK

 大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で主人公のまひろ(紫式部)を演じる吉高由里子さん。以前、本作について「文字が主役のドラマでもある」と話していた吉高さんは、これまでの撮影を振り返り、「目で見て分かる成長は『書』」と明かす。ここから先、まひろの「源氏物語」執筆を軸に大きく動くドラマにおいて、改めて注目されるであろう「書」への思いを語ってもらった。

 ◇10代の頃のような成長が30代で経験できる「ワクワク」の中

 ドラマは、昨年5月に京都の平安神宮でクランクイン。撮影期間はすでに1年を超えた。2022年5月の制作発表から数えれば、吉高さんは2年以上も「光る君へ」に携わっていて、役者人生を振り返ってみても「こうやって一つの作品にこれだけ長く携わったのは生まれて初めての経験」と、どこか感慨深げだ。

 「生まれて初めての経験って、大人になってからだとなかなか出会えないじゃないですか、自分から向かわないと。でも今回こういうめぐり合わせで、こういう機会をいただけて、その初めてを今も継続中ですが、目で見て分かる成長というのは『書』なのかなと思っています」

 筆をとって書く練習は、撮影が始まる半年以上前からこつこつと積み上げてきたが、「第2回で子役から本役に代わって、早速、書くシーンがたくさんあって。その第2回では、今、見ると目も当てられない字だったと思います」というのが率直な感想だ。

 「まひろはこのとき10代で、いま30~40代の撮影しているのですが、役と一緒に吉高も成長したってことですね、とも言われるので、向き合う時間の分だけ、応えてくれるものだなと思いました」

 8月25日放送の第32回では、彰子(見上愛さん)のもとに宮中女房として出仕する様子が描かれるなど、ようやく「源氏物語」執筆のスタート地点に立ったまひろ。「書」に関しては、「集大成が始まるなという感じはありますね」と吉高さんは話す。

 「以前のまひろとして書く文字は仮名が多く、道長との文通では漢字でしたが、『源氏物語』は仮名も漢字も両方で出てきますし。現代ではあまり使われていない変体仮名も出てきます。不思議なのは変体仮名も読めるようになってきちゃって、もう身に付いてるのが怖いです。身に付いたのか、“こびりついちゃった”のか、どっちか分からないのですが(笑い)。『書』に対するプレッシャーはあったし、分からないものを覚えてく楽しみもありましたし、できないことができていく10代の頃に見ていたような成長が、この30代で経験できるとは思っていなかったので、すごくワクワクすることもあります。ただ、それが本番でもうまくできなくてはいけないので、公開テストじゃないですけど、試験に受かるか受からないかを公開されている、ような感覚で、怯えながらやっています(笑い)」

 ◇10分で仕上げて本番はプレッシャー? 今は「左手で筆」は無理

 まひろという役を通して、琵琶の演奏や宋の言葉も披露してきた吉高さんだが、その中でも、挑戦の難しさという意味で「書」は印象深いものに。

 「(書いていて)思ってもいない方向に線がいっちゃったりとかもするのですが、そこはこの役を演じる醍醐味(だいごみ)でもあると思っています。みんなが注目している部分でもあるし、視聴者の『書』に対する目線も、ほか(琵琶など)とは違うので、そこは緊張します」

 左利きでありながら、劇中では右手で筆を持ち、文字を書いている吉高さんは、以前「手が震えるので、なるべく書くシーンを減らしてほしい」と、ひそかな希望を明かしていたが……。

 「手の震えって日によって違うんですよ。『手が温まる』と言うのか、普段の『書』の稽古(けいこ)では30~40分くらいすると線が安定してくる感じで。でも撮影では、現場を30~40分止めることはできないので、いま練習時間は本番の10分前からで、10分で仕上げなくてはいけないというプレッシャーもあります。(うまくいくようになるには)家でこつこつと稽古するしかないのですが、家でできても本番となると温度や風によって、墨の乾き方も変わってきてしまうので。家でやるのと同じようにかない時もあるから、スタッフの皆さんに『お祈りしててください』と言って、本番に臨んでいます」

 いまや、まひろとして右手で筆を持つことが当たり前になった。

 「今は(利き手の)左手で筆は無理だと思います。傾きも変わってきますし、『あ』とかのふくらみとかも違うので。クセが全然違うというか、右手で持つのと左手で持つのでは、毛先の向きとかも変わるらしいので、いま左手で書いたら全然違う文字になっていくんだろうなと思っていて。自分のこともそうですけど、筆も育てている感じもして楽しいです」

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